弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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1月も終わりますので、そろそろ良い加減真面目に仕事しようと思いました! そういうわけだから、誰も見てないと思うけど真面目に近況報告しよう。
もう目も当てられないほどの音ゲー厨に成り果ててしまい、週六くらいでゲーセン行ってます。
弐寺メインでSDVXをサブで、精力的に技術をみにつけてるわけだ。しかしながら、ここでそのことをつぶさに書くと、音ゲーに知識がない人にとっては、意味不明なことになってしまうので、追記で書くことにしよう。あとでその腕前の変遷を見直すときに役に立つであろう。この時の私はこんなに下手くそだったんだなあ笑ってなるために。

レポートのラッシュがようやく一段落つき、アサシンクリードⅢもようやくエンディングを迎え、小康状態になりました。たったさっきね。
サークルにいくのも億劫になってきて、家に引きこもりがちになってきたけど、えっ、これはまさかの!? 今後は寂しい大学生活が待ってるの!? い、いやだー。

次の小説新人賞を目指して書いてるものがあるのですが、それも2月中に仕上げないと死んでしまう。というか、次で受からなければ私は死を選ばねばならぬ。それだけの覚悟を背負って書いてるん。一応。ぐふっ。つらい。
やりたいこと=楽しいことではないからね。苦境があるとわかっていてもやりたくなっちゃうことは、進んでやるべきだと思うよ。音ゲー然りね。ぐふっ。つらい。


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  1. 2013/01/27(日) 23:10:48|
  2. 尋常の日記・雑記
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どうも、炎難民だよー
近況といえば、もうテスト期間。
みんな殺気立っててこわい。
これから勉強しなければならないので。
また来週ということで……。
  1. 2013/01/23(水) 22:48:37|
  2. 尋常の日記・雑記
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明 け た!

学校が始まりましたね!!!!!! 今月末は課題テストラッシュ!!!!!!!
正直言ってへこたれそうだけど頑張る。

最近のトレンドは音ゲイムとアサシンクリードⅢ。
弐寺は☆10に挑戦し始めてる六段って感じです。七段はいくらかチャレンジしたけどSAFARIにガオーされる日々。テレテレテッテに初遭遇した時の「えっなにこれわ」といってぶち殺される、あの感じはすごい。
でもこれでも進歩したよ! tricoroから三曲目がFIREFIREになったが、あれの皿が全っぜん出来無くって三曲目で落ちてたんだからね。まぁ、今でも96%で突入して36%で抜けて、ガオーがテンプレ。
SDVXはLv13安定でLv14が半分ほど埋まってきた暁雲。左つまみの方がやりやすく感じる。

アサクリは結構やってるはずだがまだシークエンス9。
地下迷路の攻略してるとそれだけで一日が終わるからめんどうくさい。

ああああ。
今年はもっと読書をするトシにしたいです(コナミ)


  1. 2013/01/11(金) 15:23:07|
  2. 尋常の日記・雑記
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【小説】嘘と恋のデジタル数値 9(2)

「おい、お前が柏座瞳太か?」
 彼は再び立ち止まる。それと同時に街灯の明かりがつきはじめた。その光が声の主の顔を照らす。
 風貌を一口で表現するなら、いかつい顔をした男が仁王立ちしていた。全く見覚えがないが、彼と同じ制服を着ているところを見ると、彼と同じ学校の生徒なのだろう。
 彼は警戒して言った。
「……誰だ、お前」
「へっ、名乗るときは自分からだろうが!」
「……お前、俺の名前知ってるじゃねえか。名乗る必要ねえだろ」
「あぁん? 舐めとんのか、ゴラ!」
 思い切り眉間にシワを寄せて、不良のような男子生徒は近づいてくる。
(何だコイツ……全然話が噛み合わない。ハナから喧嘩したがってるみたいだな)
 周りは営業しているのか分からない商店や、売る気があるのか分からない空き地があるだけで人気も無い。いつも何気なく歩いている近道が、こんな時に限って虎の巣となってしまったらしい。
(無駄に怒らせて、不良の喧嘩腰をさらに深くさせるのは分が悪い)
「確かに、俺は柏座だが……お前は誰なんだよ。初対面だろ?」
「あぁ……、初対面だなあ……、オレとお前はなあっ!」
「……は?」
 意味が分からない。この不良、既に相当の興奮状態にあるようだ。
(……いや、理由も分からずボコられるのは御免だぞ……)
 嫌な汗が背中に湧いてきた。
「な、何の用なんだよ。いきなり現れていきなり喧嘩腰なんて、何考えてんだ」
「……テメエ、嘘部に入部したんだってなあ?」
 渾身の憎悪をこめられたような言葉に、彼は首をすくませた。しかしここで怯んではまずいと、なんとか威勢を張ってみせる。
「あ、あぁ、そうだが……どこで知ったんだ?」
「ああん? 何でテメエにんなこと教えなきゃいけねえんだよ。この際どうでも良いだろうが。テメエが嘘部ってことなら、大宮来楽奈ってヤツの仲間なんだろ? ああ?」
「…………あぁ、そうなるが」
(……大宮が振りまいた恨み……か)
 彼は今になって、文が言っていたことを思い出した。
『嘘部がターゲットにした相手は完全に無差別だった。中にはひどく恨みを持ってる奴も居るはずだ。……連中がもしどこかで、嘘部復活の話を聞きつけたら……、お前の身が危なくなるかもしれない』
(こんな具体的な危険が迫るとは思いもよらなかった……、思ったより現実って単純なのかも知れないな……って、そもそもコイツは何が目的なんだよ。俺をボコってストレス解消したいだけか?)
「そ、それで何の用かって訊いてるんだが。所属する部活なんて個人の自由だろ」
「あぁそうだ、まったくその通りだ、オレにとっちゃ誰があの忌々しい部活に入ろうが構わねえ。せいぜい女じゃなくて幸いじゃ!」
(女じゃなくてよかったってことは、男なら……もうボコる気満々じゃねえか、コイツ)
 足の速さのほどは自信はないが、思いきり不意をついて後ろへダッシュすれば撒けるかもしれない。そうだ、逃げるしかない。彼は覚悟を決めた。問題はタイミングだ。
「忌々しいって言ったか?」
 彼は言った。別段、憤慨を込めたつもりはなかったが、相手は勝手に怒りの言葉と受け取ったらしい。
「当たりめえだ! あんなん、忌々しい以外にねぇ! 放課後に意味有りげな手紙で呼び出しておいて、めっちゃ期待したらかわいい女の子が待ってるじゃねえか! しかも『ひと目見た時から、ずっと気になって夜も眠れなくて居てもたっても居られなくなって呼び出してしまって……でもあなたが好きなんです』とか言われた日にゃ、どうなるか分かるか! オレは、オレは勿論、OKした! そしたらどうだ、嘘だって抜かしやがる! あの、あの絶望がテメェに分かるか! 分かるだろ、テメエも男なんだかろよォ!」
(……コイツ、モテないんだな)
 彼は怒気を撒き散らす不良の顔を見て、そんな風に思ってしまった。
「でも、それは半年前のことなんだろ? 何で今更、しかも俺にツケが回ってくるんだ」
「……オレは女に手をあげるなんてできっこねえ」
 不良は顔を横に向けていった。
(割とその辺、価値観しっかりしてる奴なのか)
「あいつら、弱ぇからって一発でも殴ると、集団でヒソヒソと噂しやがって不快極まりねえじゃねえか。あんな落とし穴のスイッチみたいな連中、殴るなんてできるわけねえだろ」
(……単純な自己保身的発想か)
 彼は未だにチャンスを掴めずに居る。集中して相手の顔を見据えているのだが、気が緩む瞬間というものを窺うことができない。頭は弱そうなのだが、喧嘩には慣れていると見える。
 彼が逃走の機会を探っているのを知ってか知らずか、不良は話を続ける。
「で、テメェを今日ボコりに来た理由っつうのはなあ、はっきり言うと嘘部をぶっ潰すためだ!」
(いつの間にボコることが前提になってんだよ!)
「……う、嘘部を潰すって? 俺をボコして部活が潰れんのか?」
 心の中で突っ込みの文句を噛み潰して、彼は平静を装い言う。
「当たりめえだ! テメェのあばらか脚か恥ずかしいとこかの骨を折れちまえば、テメェは一ヶ月は病院から一歩も動けなくなるだろうが! そうしたら、嘘部は公式戦に出られなくなるんだろ? どうだ、このまま嘘部は廃部街道一直線だ!」
「な…………」
(マジかよ……)
 彼は絶句した。ボコるという次元では無かった。この不良の言葉に嘘は一切含まれていないだろう。相手は言った通り、彼に病院生活を余儀なくさせるような怪我を負わせるだろう。
(……だが、いくら喧嘩慣れしてるからって、手ぶらで野郎一人の骨を折るなんてできっこない……、っつぅことは……)
 彼はぞくりとした。浮き足立つという感覚を初めて味わった。太陽の消えた空が、彼の姿を隠すように闇を広げていく。街灯の光はやたらと明るいように思われた。
 後ろから足音。前からも足音。ゆっくり動き、何かを待ちわびるような足音。
(……リンチ……?)
 彼はただ立ちすくむことしかできなかった。前方から歩いてきた人間たちが、彼が視認できる位置までたどり着く。三人。もともといた不良を含めると、四人になる。後ろは少なく見積もっても二人は居る。
「悪く思うんじゃねえぞ……、これもテメェが嘘部なんぞに入ったんが悪いんだかんな!」
「む、無茶言うなよ……」
 きっとここに集められた連中もきっと来楽奈にコケにされたことがあるのだろう。その賛同者たちが、どこかしらで嘘部の現在の情報を仕入れて今回の計画を──、荒唐無稽な計画を立てた。
(め、滅茶苦茶だ……)
「抵抗しなければ、最低限の骨で済ませてやるよ。そんでもって、俺達は親切な目撃者になって通報してやるよ。どうだ?」
「…………」
 彼はその言葉に首肯しそうになったが、危うく踏みとどまった。
(アホか、ここで上手く逃げないと……俺がぶちのめされたら嘘部は廃部だ……、大宮が……)
 奥歯を噛み締める。左手は空き地があるが、その敷地を作る周りの塀は軒並み高い。よじ上っている間に、捕まるだろう。右手はシャッターの閉まった商店が並んでいる。逃げこむのは難しそうだ。
(南無三……。クソ、俺が後でこいつらがあったことを証言したところで、もう意味が無い。俺が行動不能になった時点でもう終わりなんだ……)
時間が経つごとに、前後に居る刺客が近寄ってくる。後ろは二人程度、前の四人、そのうち一人は木材を持っている。この分だと後ろにいる一人くらいは得物を持っているはずだ。
(……後ろの方が人数が少ない。一か八か、逃げるとしたらこっちだ)
 後ろの二人をかわせばすぐに曲がり角だ。その先に誰かしらが居たら助けを求めれば良い。居なくても広い道路まで出ることができれば──。
「お巡りさん! こっちです!」
 突然、誰かが叫んだ声が緊張した空気を切り裂いた。彼にとってその声は、地獄に垂らされた蜘蛛の糸のようだった。すがるように踵を返し全力で駆け出す。後ろにいたのは二人だけだった。片方がバットを持っている。
 どうせすぐにこちらの逃走に気づいて、何かしらのアクションをしてくると思ったが、違った。後ろの二人は驚いたように曲がり角の先を見ている。彼がその様子に疑問に思ったのも束の間、青い何かが飛来してその不良二人の頭にかぶさった。
「畜生! なんだこれ!」
「クソ!」
 ブルーシートだ。誰が投げたのか知らないが、すっぽりと後ろの二人を覆い隠した。せいぜい、彼らがそのブルーシートを払いのけるのは二、三秒程度だろう。だが、彼にとっては十分だった。
 夢中でブルーシートにもがく二人の脇を抜けて、角を曲がったところに誰かが立っていた。
「こっちだ」
 その男は鋭い声で言って走りだす。彼は黙って頷くこともせずにそれについていった。後ろからは、さっきまで前にいた五人の不良たちが追いかけてくる怒声が聞こえてくる。
「声のでかい連中だ」
 突然の救世主は小さな声で言ったが、必死で背中に追いすがる彼の耳に届くことはない。二人は目についた曲がり角に手当たり次第入っていく。追手も鈍足ではないので、撒くことができない。
 三つ目の角を曲がったところで目の前に現れたのは、先ほど最初の不良と遭遇した道だった。
(一周してきたのか!)
 先刻、二人の不良のめくらましとして活躍したブルーシートが落っこちている。それを見て彼は思い出したことがあった。
「そ、そういえば、さっきお巡りさんがどうだとか言ってたよな……」
 彼は荒い息に混じらせて訊ねた。男は彼を顧みることもせず、一言で応えた。
「嘘だ」
「……っ」
(気をそらすためのハッタリだったのか……)
 彼が失望したところで、不良たちもこの道に入ってきた。威圧的な声が拡声器でも使ってるかのようなけたたましさで聞こえてくる。
 すると不意に男は立ち止まった。
「止まれ」
 突然の行動と命令に、彼は困惑しつつ立ち止まる。不良たちはここぞとばかりの怒号を上げて、彼らに追いつこうとする。もはや、何と言っているのか分からない。
「あの空き地に入るぞ」
 男は短く言うと駈け出した。反論する暇も無かったので、彼は大人しくそれに従う。不良たちも当然、彼らの後を追って空き地に侵入してきた。
 再び不意に男は立ち止まると、彼の方に向き直って言った。
「……いいか、一撃は耐えろ。防御に徹すれば骨折まではしない」
「マ、マジで言ってんの……」
「助けてやってるんだ。文句を言うな」
 そこへ、不良たちが到着した。
「何なんだテメエは! 正義のヒーロー気取りか!?」
「そのめんどくさそうなメガネもろともぶっ壊してやんよ!」
「面倒くさいのはどっちだ」
 男は言い捨てるように言った。不良の一人のメガネという発言を聞いて、彼は初めてその男が細いメガネをしていることに気がつく。どちらかというと、インテリ系の風貌だ。
(だから、こんなに行動が頭脳系なのか……)
 なかなか効果的なハッタリといい、ブルーシートという小道具を使った妨害といい、この男は頭の回転が早い。となると、彼の言動通りに動けば良い方向に動くかもしれない。疑ってばかりもいられない。
彼は不良たちの前に立った。
「……もういい、やれよ。抵抗はしないから、この人に危害は出すんじゃねえぞ」
「ああん? テメエ、都合のいい事言ってんじゃねえよ……、コイツもろともに決まってんじゃねえか、ゴラア!」
「おい、コウタ、やめろ。コイツさえブチのめせばいいんだ。そこのメガネは……、そうだな、メガネだけで許してやれ」
コウタと呼ばれた不良を諌めた少年の冗談に、不良たちが下品な笑い声を上げる。
「ふん、じゃあ御希望通りやってやんよ!」
角材を持った不良が出てくる。性格が悪そうな笑みを浮かべながら、ヘラヘラと彼の方へやってくる。そして、角材を振りかぶりながら陽気な声で言った。
「ほーら、一発目!」
「……!」
 咄嗟に彼は腕で脇をかばった。その一瞬後に容赦無い打撃が左の二の腕に入り、激痛が走った。
「痛っ……」
「抵抗すんじゃねえ!」
 相手は怒鳴って、腕の痛さに怯んだ彼の鳩尾を突いた。無防備に入った一撃に全身の力が一気に抜けて、彼は地面にへたり込んでしまう。
「あ……」
 腹の中を混ぜ返されたような鈍痛が下腹部に広がる。吐き気がせりあげてきて、彼は空き地の土に嘔吐した。口の中に不快な酸っぱさが残る。たまらずに幾度も咳き込んだ。
「よく耐えた」
 追撃が来るのではないかと思い身構えていた彼に、男の声がかかった。
「時間だ」
「お前達、何をしている!」
 遠くから声が聞こえた。その場に居た不良たちは全員振り返って、とたんに動揺し始めた。
「やべえ、サツだ!」
「サ、サツ……?」
 彼は顔を上げる。紺色の制服を来た男たちがこちらに駆け寄ってくる。不良たちは一斉に逃げ出すが、周りは高めの塀で囲まれていて容易に脱出できない。
「大丈夫か!」
 警官の一人が駆け寄ってくる、陳腐な励ましの言葉もその時だけはとても頼り甲斐があるように思われた。


「お巡りさんはあの場に居なかったが、通報だけはしておいた。追い詰められたふりをしてここにおびき寄せれば、逃げる場所もない。それでこちらが殴られておけば、非は全部向こうにあることになる。状況的に言えば、おつむの弱い高校生たちが群れて無抵抗の哀れな一人を私刑にしようとした。これで連中は最低でも、謹慎処分で今後しばらく現れることもない」
 警察の取り調べから解放された後、彼を助けた男はそう説明をした。どうやらその男も彼と同じくらいの年齢であるようだ。細いメガネに鋭い眼光が特徴的で、敵に回したくないタイプの人間だな、と彼は思った。
「……警察があのタイミングで来なかったらどうするつもりだったんだ?」
「君を引きずって空き地の端まで逃げていた。日本の警察は限界が来る前までに駆けつけてくれるって信じていたからな」
 彼の腕は腫れてはいるが手の使用に支障はなく、鳩尾に喰らった一撃も痣にはなったが大事には至らなかった。制服を着崩さずに着ていたお陰だろう、と手当してくれた警官に皮肉めかして言われた。
「それにしても、何で俺を助けてくれたんだ。お前だって、見ないふりして通り過ぎることもできたはずだぞ」
「あの不良ども、声がでかすぎだ。これから何をしようとしてるのか、そしてその動機も全部丸聞こえだった。──大した理由でもなくリンチされようとしてる人間がいると知っては、放っておけない。たまたま潰れた店の中にブルーシートがあったからな、あの計画を実行した」
「……そう、か。……その、ありがとう」
 彼は礼を言った。あのままリンチにされていたら、色々なものを失うところだった。自分の健康もそうだが、来楽奈がようやく掴んだ嘘部存続の道までもが──。
「礼もいらないし、見返りも望んでいない。今後は気をつけろ、それだけだ」
 男はそれだけ言い、別れを告げて去っていった。
(……本当に、何も要らないのか……、結局素性も名前すら明かしてくれなかったし、いくらなんでも謎めき過ぎだ。…………そんでもって、この微妙な違和感は何だ?)

  1. 2013/01/10(木) 19:50:16|
  2. 尋常の日記・雑記
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【小説】嘘と恋のデジタル数値 8(2)

 瑠子があまり嘘部に与していることを知られたくないと言ったので、来楽奈は人に見られにくい部室への行き方を伝授してくれた。嘘部部室の向かい側が空き部屋なので、そこにある外に通じる扉から入れば良いという。その外扉は校舎の裏側に位置しているので、他の生徒に見られにくいらしい。嘘部室は校舎の端っこにあるため、校庭側から回りこんでいけば他の部室にいる生徒からも目撃されない。
「でも……向かいが空き部屋なら、そこに移ればいいじゃねえか」
 彼は部室のドアを後ろ手で閉めながら言った。女子二人は既に座敷に腰を下ろしている。
「嘘部は昔からこの部室を使ってたの。それに、うちは部活として存在するけど、あまり活躍していない分、正規な部室を手に入れたら却って教師陣に目をつけられるわ。波風立てないためには、ここで我慢するのが最善なの」
 来楽奈は滔々と説明した。
「なるほどな。あ、そうだ、こいつを借りっぱなしだったんだ、返しておくぞ」
 彼はファインダーを取り出すと、円卓の上に置いた。それを見て来楽奈が目を細める。
「持って帰ったの?」
「あぁ。色々と試したかったからな」
「……別に良いけど、絶っ対になくさないでよ。凄い値段するんだから、それ。もし壊したり失くしたら弁償してもらうから」
「……分かったよ」
 彼が頬を強張らせて返事をしたところで、会話に瑠子が入ってきた。
「あの……それって、何ですか?」
「そうね……、いちから説明していきましょう」
 来楽奈は瑠子に、今の嘘部の現状について話した。廃部寸前とその挽回方法、大士戸高校との公式練習試合のこと、そのルール、使用される嘘発見器──。
「え、えっと、その嘘発見器……、ファインダーって呼んでるんですか?」
 瑠子は嘘発見器のくだりで首をかしげた。来楽奈は意外そうな顔をして言った。
「私の中ではね」
「えと……、嘘発見器を英語でポリグラフって言うんじゃ……」
「……そのくらい知ってるわ。でも、ファインダーって言った方が……、語呂が良いでしょ?」
「ご、ごろ……ですか……、でも、カメラでピントを合わせるのに使うのもファインダーですよね……、ご、ごっちゃになりませんか?」
「…………じゃあ、あんたはポリグラフって呼べばいいじゃない」
「ええっ、わ、わたしだけですかっ?」
 おどおどする瑠子。来楽奈はそれ以上、ファインダーについての話が発展しないようにか、口をつぐんで黙りこんだ。──知識で瑠子に上回られたのが悔しかったのか。
(大宮って、嘘を吐く以外は割と普通の女子だよな……、普通っていうのは、いたずらに頭がキレまくるわけでもなければ、相手を貶める冷徹なことをしようとしないっていうことで……、ごく普通の女子高生って感じだ)
 二人を観察しながら彼は思った。嘘部という単語を聞いて、畏怖するような態度をとった新島や明瞭な拒絶な意思を見せた夕子たちは、こんな彼女の姿を見たことがあるのだろうか。嘘部という、世間から白眼視されがちなレッテルが、来楽奈の勝手なイメージを作り上げているのではないか。
(ま、それはそれでいいけどな)
「あと、最後になるけど、基本的なルールを教えておくわ。部則みたいなものね。柏座君もちゃんと聞くのよ」
 来楽奈が気を取り直すように言った。
「今後、嘘部の活動の一環で、部外者に嘘を吐くことになるかも知れないわ」
「……そんなことするのか?」
 試合のことを第一に考えていた彼は思わず問うた。
「仮定の話よ。現時点ではその可能性はほとんど無いわ。これは、嘘部創設以来のお決まりごとなの。だから平田さんはともかく、部員のあんたはきちんと頭に叩きこんで欲しいの」
「なるほどな」
「その部則っていうのは、もし誰かが誰かに嘘を吐いたとして、嘘を吐いた方か吐かれた方に甚大な損失が出るような場合は、素直に謝ること。『ごめんなさい』ってね」
「甚大な損失って具体的になんだよ」
「それは各自で判断してよね。嘘部はただでさえいっぱいいっぱいなんだから、部員それぞれの責任を負いきれないの。もちろん、軽めの嘘は嘘部の名前で帳消しになるけど、人間関係が壊れたりするようなものはダメよ、素直に謝って」
 淡々と語る来楽奈を見てると、彼はどうも彼女が謝罪というものをする光景が思い浮かばなかった。
「お前は、する予定は無さそうだな」
「……まぁね。実際、嘘部の権威は落ちるところまで落ちてるから。それはあんたも身を以て知ったでしょ?」
 来楽奈は彼に向かって言いながら、横目と瑠子の方を見た。彼が瑠子に嘘部の勧誘をした時、瑠子が全力疾走で拒否したことを言っているのだろう。瑠子はその視線に狼狽えたようで、慌てて弁明した。
「ち、違いますよぉ……、さ、最初から、嘘部がそこまでひどくない部活って知ってれば、そ、そんなことしませんでしたよぉ……」
「別に責める気はないわ。あなたのあの時の反応は、この学校の全校生徒の気持ちを代弁したようなものだから」
(俺が嘘部にはいったことを知っていた奴らは、全員関わりを絶つように奨めてきた。……それは、大宮が半年くらい前に手酷い嘘を学校中の生徒に吐きまくったからだ。何でそんなことをしたのか、こいつに後で問い質しておく必要がありそうだな。それはそれで良いとして、だな……)
「要するに、吐いた嘘が度を越したと思ったら、謝れって話だろ?」
 彼はぶっきらぼうな口調で話を戻した。
「俺は謝るつもりはないぞ。そもそも、部活外の人間に嘘を吐くつもりなんざ無いからな」
「それもひとつのスタンスだと思うけど……、くれぐれもあんたの責任でやってよね」
 来楽奈は彼の言葉を受け流すように言った。
「さて、じゃあ早速練習に入りましょう。これが平田さんの分のファインダーよ」
「あ、ありがとうございます……、あの、やっぱ、ファインダーって呼び続けるんですね……」
「……」
「ご、ごめんなさいっ……、そ、それもひとつのスタンスですよね……、すみません……」
(瑠子のヤツ、早くも大宮をいじってる……。こういうのを意図せずにやってるんだから、恐ろしい奴だな)
 その日行ったゲームは大富豪だった。弱いカードから順に捨てていき、最も速く手札を無くした者が勝利となるものだが、もちろんルールは嘘部仕様、ファインダーが表示する数字が最も低い者が勝ち。
 彼は自分の手首に装置を付けながら考えた。
(……こいつのことを、ファインダーと呼ぶべきか、ポリグラフと呼ぶべきか……、いっそのこと俺オリジナルを作るのもいいかもな。……ライディテクターとかか?)

 数十分後に、彼は愕然とした呟いた。
「…………………負けた」
 決着は着いた。もちろん、一位は来楽奈だったが、彼は今日入ったばかりの瑠子にも敗北を喫してしまったのだ。
(……本当に俺は動揺しやすいな、クソ……っつても、相手も相手で卑怯だろ、あれは……)
 例えば、一度彼が富豪になり、来楽奈が貧民となった。貧民は一枚、富豪に手持ちで最強のカードを与える必要があるのだが、彼女が渡してきたのはハートの6だった。
「おい! これは嘘だろ!」
「……そういえば、あんたが大富豪だったんだっけ」
 来楽奈はしれっとそう言って、さっさと彼にあげたハートの6を取り上げて、乱雑に渡してきたカードはジョーカーだった。
(あそこまでルールをガン無視してくるとは……、そんな可能性想定できるかよ!)
 瑠子も瑠子で、全く手の内が読めなかった。というのは、ずっと例の自信が無さそうな落ち着かない様子でいるからである。いかに強い手を持っていようと、どんな勝負の局面であろうと、その様子が変わらない。だから、余計に驚くのだ。
 そんな風にしてどんどん数字に差が開いていくを見ていっそう動揺し、それが更に数値の上昇を助長していく。
 結果、彼はボロ負けした。罰ゲームは部屋の片付け。前回と同じように、彼は女子二人が残していった散らばったカード、嘘発見器、開きっぱなしのノートパソコン──それらを一人で片付けるハメになった。今日は、ファインダーを持ち帰る気になれなかった。適度に片づけが済んだと思い、彼は部室を出た。
「……おう」
 廊下に出た彼は思わず声を上げた。その声に反応して振り向いたのは、軽音部の横須賀文だった。
「またお前か」
「そりゃこっちのセリフだ。今日はギターなんて背負ってどうしたんだ」
 彼は文の背中にある黒いケースを指さした。文は無愛想な声で応えた。
「これから音楽室で練習だ。……一人だけだがな、金がかからないだけマシだ」
「ふぅん。大変だな」
「他人ごとのように言うが……、正直言って、うちの部活よりもお前の部活の方が大変だろう」
「まぁな。次の公式戦で勝てばこの部もめでたく存続だが、負けたら……、あの部屋が空くことになる」
「公式戦だと?」
 文は眉をひそめて言った。
「あぁ。相手ももう決まってる……が、どうかしたか?」
「……いや。それで、その公式戦、お前も出るのか?」
「当たり前だ。その為に、勧誘されたようなもんだしな」
「……」
 文は横を向いて不自然に黙った。彼はその微妙な表情に嫌な感覚を抱き、なんとか問い質そうとする。
「な、何でそこで黙るんだよ。何かあるなら言えよ」
「……気をつけろ。嘘部がターゲットにした相手は完全に無差別だった。中にはひどく恨みを持ってる奴も居るはずだ。……連中がもしどこかで、嘘部復活の話を聞きつけたら……、お前の身が危なくなるかもしれない」
「……脅しか?」
 文の真に迫る口調と表情に彼は戸惑った。
「脅しじゃない。警告だ。くれぐれも気をつけろよ」
 文はそれだけ告げて、去っていった。彼はその背中を睨むようにしばらく見ていたが、やがていつの間にか入っていた肩の力を抜いて、真向かいの空き部屋に入った。中を通り抜けて、窓側の壁に取り付けられている外への扉を開く。
 校舎の裏側を出てすぐ、彼の目に瑠子の姿が映った。
「待ってたのか」
「……う、うん……、だって、……来楽奈先輩が待っててもいいって言うから……」
「なるほどね。じゃあ、帰るとするか」
 彼はのんびりと言って、瑠子と一緒に帰路についた。──文が言った警告は、彼の頭の隅でまだ点滅をしていたが、家に着く頃にはすっかり消えてしまった。

 基本的に嘘部の活動は毎日だった。来る試合の日は6月の中旬、その日までにできることはやっておかなければならない。もちろん、やっていることは部室にこもっての心理戦で、外に繰り出して嘘を吐いたりはしていない。純粋に、トランプでのゲームでの騙し合い。ちなみに瑠子は、合唱部の活動がないとき、嘘部の方に参加した。
 来楽奈は動揺が極めて少ない。彼がどんな手で攻めたところで、眉一つ動かさない。表情はもちろん、ファインダーが感知した動揺値もほとんど動かない。そして、時たま行う奇抜な行動。あるときは完全にゲームのルールを無視してまで、数字を稼いでくる。攻撃しても手応えが全く無く、隙を見せるとどこからともなく襲い掛かってくるのだ。 
瑠子は凄まじい道化をする。外を見ると常時ひどく狼狽えたような様を見せるのだが、ファインダーが表した数値はほとんど動きがない。この現象については来楽奈がこう解説した。
「この装置が感知するのは、身体の状態の変化なの。つまり、一気に血流が速くなったり体温が上がったりすると、大きく数値が変化するけど、いつでも緊張したような状態だと、数値はあまり変わらないの」
 平静の状態から興奮したり、逆に興奮が冷めてきたりすると、その感情の起伏を単純に数値化する。だから、瑠子の常時不安定な様子はコストの要らないカモフラージュとなっているのだ。瑠子と対峙すると、全くその手が読めなくて困る。来楽奈は鉄壁の無表情だが、瑠子はまるで濁った水面を見ているように底が見えない。カマをかけても嘘を吐いても、効果があるのかが解らない。
 ──この二人を前にして、彼は翻弄されてばかりだった。
(……今日も負けた。昨日も負けた。一昨日も負けた。一昨昨日も負けた。というか、勝てた記憶が無い…………ぐうううううう、ぐうの音しか出ないぞ、くそったれ……)
 競馬で負けた呑んだくれのような気分で、彼は一人で帰り道を歩いていた。青空に真っ黒なフィルムをかけたような空が真上に広がっている。今日は、もう梅雨の季節だというのに、清々しいほどの晴天だった。さっきまで鮮やかな橙の光を届けていた夕日は沈みかけている。
(嘘部に入部してから一週間半程度か。俺の実力で、どこまで大士戸とどこまでやりあえるんだか……つっても、俺は別に嘘を吐きたいが為にこの部活に入ったワケじゃないからな、そりゃ、嘘が下手くそでも仕方がない。むしろ、あんな上手くやってる瑠子がおかしいだけで……)
 彼はふと立ち止まって、空を見上げた。
(……俺は、何の為に嘘部に入ったと言ったっけ? 自分のため……って本当にそうなのか? ……ただ、大宮来楽奈という奴に惹かれて、たったそれだけの理由で、自分のためとか、何のためとか関係なしに入ったんじゃないのか? 目の前にニンジンをぶら下げられた馬みたいに、何も考えずに、あいつの目の前に、傍らに立ちたいがためだけに、プライドを捨ててまで……ん、プライド? 俺にプライドなんてあるのか……、誰に見せるための?)
 疑問が渦となって音を立てているようだった。こんな脳内禅問答をいつしか、したことがあった。あれは、横坂夕子に恋人ができたという話を新島とした時──、来楽奈を『初めて』目撃する直前だ。
 来楽奈は、彼が思い描いた理想像にぴったり重なる女子だった。だからこそ、彼女を尾行した。嘘を吐かれたことも知らずに違う教室に直行して、そんな手酷い嘘を吐かれても彼は全く憤慨を感じなかった。そればかりか、再会を喜んでいた。
(大宮がいれば、嘘部じゃなくても良かったんだ。だから……、俺は悪くはない。…………でも、悔しいよな……、こんなダサイ姿ばっかりあいつに見せて……って、何を考えて……、いや……、でも、少しばかり良い恰好見せたいよな……、あいつの、絶対の信頼の視線が……、欲しいよな)
 あの無愛想な少女が、自分に期待の眼差しを向けている。想像するだけで、彼は気力が湧いてくるような気がした。止めていた足をまた動かし始める。
(でも……、大宮って、普通に美人だよな。何しろ、この俺が突き動かされるレベルだぞ。男なら、誰だってそう認識する筈だな。……もしかしたら、彼氏なんて普通に居るのかもしれないな。この学校じゃ無理だろうが、外部かどっかにでも……)
 そんな風に考えていた彼の目の前に、立ちふさがる人影があった。
  1. 2013/01/02(水) 22:05:24|
  2. フィクション小説(妄想)
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1/1

あまめしておでめとう!!

今年は
なんとしてでも
新人賞を取らないと
バイトやらされるので
本気出さないと
ダメな歳です
20歳になってしまいますからね。
は? 
20歳?????
なんか
おかしいゾ。
  1. 2013/01/01(火) 00:46:41|
  2. 尋常の日記・雑記
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プロフィール

可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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