弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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Program 第十章

Program10
「私は何か悪いことでも……?」
 ガンディスが木の床に跪いて、必死にエダに慈悲を求めている。どこで狂い始めたのか。当初の打ち合わせの時とは、その流れが大分違った。
 結果的に、ガンディスが降参したことには変わりがないが、クラウスには自分がずっと蚊帳の外に居たような感じがして、困惑していた。
 あの後すぐにエダが踏み込んできた。いや、静かに扉を開いて入って来た。ガンディスと同様に、クラウスも同じ驚愕の表情を浮かべてしまった。
 彼は碧の外套を、顎ですらみえなくなるくらい深くかぶっていた。それでもどこかその下に隠れている眼からの視線に、がっちりと捕らわれているような感覚がする。
 それから、彼は何かを言った。
「国家は既に滅びている。」
 クラウスにはその言葉の意味が理解できなかった。確かに、城は崩壊したものの、国分所があるから、一応国としての機能は保たれているはずであるし、事実こうしてクラウス達がここでこうして生活しているのも、国があってである。
「今、この国……否、世界は教会勢力に支配されている。事実、この北の地にもその手は伸びてきている。『光』の教会勢力。創造主である神ではない、その神が創造した光の勢力。そもそも教会が二つに分かれてしまうことなんてあってはならないこと。そこから疑問に思うべきだった。」
 ガンディスの顔色が、エダが一言発するたびに、月明かりだけでも分かるように悪くなっていく。
 もしかして知っていたのか。そのことを。
 その考えが頭に浮かんだ途端に、更なる怒りが胸の奥底から湧き出してくる。
 跪いたガンディスと、それを見据えるエダ。二人を見比べながら、クラウスは必死で頭の中に今エダの言ったことが意味することを組み立てる。
 国家は滅びた。教会が国を演じている。すなわちそれは。
 教会が国を滅ぼし、その事実を隠蔽している。
「嘘……。」
 知らずのうちに口からそんな単語が出た。
 エダはそんな言葉を待っていたかのように、懐からナイフを取り出した。そして、その剣の様な鋭さが灯った、暗がりの中でもくっきりと分かる不思議な色をした瞳をクラウスに向けた。
「姫様はもちろん神信仰だろう。それならば。証明して見せてくれないか。」
 何を、とは言わなかった。
 もうこれはあの時記された、紙の上でのやりとりではない。その裏に隠された、広大な陰謀が渦巻く世界への道。そこを進む意志があるか。
 姫様、と単語がエダの口から出た途端、ガンディスはよろめいた。
 クラウスは教えた覚えはない。知っていた。
 クラウスがベッドの上から動かず手を伸ばすと、エダはナイフの刃をつまむように持ち、クラウスに柄を突き出すようにクラウスにナイフを渡した。
 血とは、人の生まれながらにして持つものの中で、一番美しいもの。神と繋がりを持てる唯一の物質。それと同時に、穢れた存在。ちぐはぐな性質を持った、不安定な物質。
 闇の眷族がそれにその身を委ねるのは対照的に、光の眷族は血を神を汚すものとして、それを流すことを許さない。
 神がどう思っているか知らないが、それらの特徴を示し合わせていえることはただ一つ。
 クラウスはベッドから立ち上がって、ガンディスに言った。
「ねぇ。手だして。」
 ガンディスの顔は限界まで歪み、額には脂汗を浮かべていた。
「今言ったの……知ってたの?」
 言ったことの真実を証明するならば、その意志の強さを示せばいい。
 それが自分のものであるならば。
 ガンディスはがくりとうなだれた。
「何が望みだ……」
 クラウスは返事に窮してエダを見た。
「教会は何を隠しているんだ?無論、光の方だが……」
「し、知るか。末端の俺がそんな事知るわけないだろう。」
「ふん。やはりな。なら教えてやろう。」
 エダは口端に笑みを浮かべた。
「正義。」
 ガンディスは見るからに動揺していた。哀れに思えてくるくらいだ。
「正義?」
 クラウスにはその単語の意図が分からずにエダを見た。
「姫様にはまだ早い。……貴様、それでも尚、貴様はここに住まいつづけるか。それとも、自由になるか。」
「じ、自由になるに決まってるっ」
 ガンディスはそう吐き捨てて、一目散に逃げ出してしまった。
「……ごめん。ほとんど意味がわからなかったんだけど……」
 また、ガンディスが着の身着のままで逃げてしまったことも気になる。今の世界、一銭も持たずにうろつくなど正に愚の骨頂であるのに。
「簡単なこと。彼はただ単に裏切り者だっただけだ。」
「裏切り者?」
「成り行きは知らないが、彼は国を裏切っていた。姫を監視すると共に、国を崩壊させる手引きをしていた。金の出所は詳しく調べてしまえば分かるだろうが、恐らく光の教会だろう。」
「え……どうして国を崩壊させる必要があるの?それに、なんであいつは……」
「その事実を私が知っていると言う事がまずかった。その出所は彼しかありえないのだからね。それでその事実を教会に知られでもしたら、即断頭だろうからね。」
「脅したんだ。」
「取引だ。あんな末端じゃ何を知っているか分からないが。国を崩壊させたのは、教会が世界最大のこのユーダ帝国を乗っ取るため。」
「……乗っ取ってどうするの?」
「無論、その後は戦争を仕掛けるんだろう。色々と屁理屈をこねて。そうしておいて、魔物を裏で操る。そうすれば勝つことは容易いだろう」
「ちょっとまって、魔物を裏で操るって何?」
 クラウスが訊くと、エダは蝋燭に火をつけた。ぼうっと部屋のなかが明るくなり、エダの表情が明確になる。その表情は楽しそうな感じだった。
「魔物を作り出したのは神。そしてその手綱を握っているのは光の眷族。我々は、自分達の存在を脅かすものを信仰している。皮肉なものだ。」
 その言動は、下手をとれば人を遠のけ、教会を敵に回すある意味では向こう見ずで、根拠の無い戯言に過ぎない。
「根拠は?」
 クラウスは知らずのうちに口が動いていた。それを見て、エダが口端を吊り上げる。
「無い。だから今それを探している。」
「探してる?」
「探している。あれから半年、実質国はあの時点で滅びていた。教会はパーティ制を作り上げて、人々に元の生活に少し修正が加わった生活を送るシステムを作り上げた。だが、こういうものは何年もかけて作り上げていくものであって、到底一ヶ月やそこらで作れるものではない。」
 エダの目の奥に紫色の何かが灯る。
「北に踏み込まなかった教会が、北に踏み込み始めたのを聞いた。それなら、神信仰を光信仰に捻じ曲げるだけの何かがあると思った。それは数日以内に見れるはず。それを期待している。」
 つまり、国民の信仰対象が全て光に向けられたとき。
「この世は混沌と化す。」
 エダがそう言ったとき、窓から風が吹き込み、碧の外套が風に揺れた。そして、その合間に、黒い布切れが見えた。
 蝋燭のあかりだけで黒と分かるだけの黒いローブが。
「あ……」
「どうなんだろうか。私には何か力がある。人のものとは思えない力がな。」
 半年見た紫の光に似ていた。自分で言った。これは、黒く光っているが人間の視覚では見ることはできない、紫に見えているだけ。
「私ができるのは、人の過去をみることができるだけだ。」
 過去。
 ガンディスの裏切りが分かったことから、その言葉に偽りはないだろう。それに、何故かクラウスには、この男が信用できるような気がした。
 根拠なんて存在しない。
 それでも、なんとなくこの身を彼に委ねてしまってもいいとクラウスは思った。

「……この辺にも光崇拝の教会勢力が流れ込んできてみてるみたいだな。」
「……?」
「どのみち教会を敵には回したくないが、光の方が厄介には違いない。」
 光の眷族と対になる存在がゆえ、闇の眷族にとってそれを信仰する人々は脅威と化す。無論、神信仰も闇を拒絶しているものの、光ほどではない。それなら、こちらの方がまだ相手にしやすいのだ。
 帝都の北で、生き残っている中では一番帝都に近い場所に位置する町、エノエラに二人は訪れていた。そんな、来るや否や毛布を買い込み体に巻きつけなければならないほど寒い、というほどでもなく、帝都からみて少し涼しいといった感じだ。
 西よりも活気は劣るものの、商人の活気溢れる掛け声は健在である。こちらの地方に来るのは、商人でも長い距離を商路とする商人が大半であり、その長距離を股にかける商人には、屈強な男が多い。それゆえ、西とはまた違った、威勢がいいといってしまえば分かりやすいだろうか。
 リゼルがここへ来て、引っ掛かりを感じたのは、法衣をきた人間が居たこと。
 神信仰の場合、その教会の人間は法衣をきたまま外に出ることは無い。どういう考え方かは分からないが、少なくとも外で法衣を着て改宗を呼びかけているところを見ると、到底神信仰だとは思えない。
 町人だという証である標ではあるまい、書類を教会に持っていって判を押して貴方は今日からこの教会です、というわけにはいかない。あくまで信じる対象を選ぶも選ばないも個人の自由であって、こういった書類でどうになるわけではないし、何せ変えるという意志がない限り、そういうものも提出しようとしないだろう。
 だが、彼らは何故か書類で回収を呼びかけている。それがリゼルにとっては不可解であった。
「おかしいですね。ビラで呼び込むなんて……働き手募集であるわけでもないのに……。」
 アリスもそんな風にぼやいている。
 既に彼女はメイド服ではなかった。普通の女旅人の服装をしている。オプションとして、その頭に平べったい帽子をちょこんと載せている。
 彼女曰く、
「これはリゼル様を見つける為の狼煙(のろし)のような役割でしたから。もう必要ないです。」
 と、にこりと笑っていた。無論、今まで着ていたメイド服は大切にその鞄の中に収められている。結構質量がありそうな服であったが、よくぞ入ったとリゼルは感心する。
「とりあえず宿でも見つけて……」
「はいー」

あとがきもどきのスーパー言い訳タイム
一応これで一期終了です~中途半端すぎて、なんか笑うしかないんですが。
個人的に、ファンタジーがなんとなく書きたくなってきて、というか、ファンタジーがラノベの原点だろう(?)と思いまして、適当に書き始めてみました。
個人的なファンタジーの定義は、剣に魔法に魔物。勝手なイメージです。ちなみに、ファンタジーとは幻想、空想のことだとか。国語辞典は真面目君すぎます。どうしても知りたいときは、助けてwiki先生!です。覚えておきましょう。
さて、途中までは意気揚揚と書いていたんですが、ある日睡眠から目覚めた僕は何かを悟ってしまいました。
エアコンタイマーにするの忘れてたそうだ、オンラインRPGみたいな感じにしてしまおう!」
と、意味不明に思い立って、殊更意気揚揚と筆を走らせて、無理矢理国を崩壊させて、下手くそな戦闘描写をして、今に至ります。
面倒くさいフリーな気持ちで書きたいということで、今回プロットは立ててません。だから、その書く時の感情によって大分文面が変わってます。一応空気は読んでいるつもりですが、欠陥が目立ちがちです。
舞台は「狼と香辛料」を参考とし、世界観はそれに似せました。でも二次創作とは違うんで、商人の中にロレ●スなんて人は居ませんから。諦めてください。ちなみに商人が居るのは趣味。相棒は趣味かどうかは知りませんが(笑
あとは適当に敵を作って、うまく遠巻きながら物語を進めていけば、オンラインRPGの筋書きの完成です。
敵を倒してレベルUP!仲間と一緒にPTを組んで強くなる!というのは、ゲームの中であって、決してこういった小説の中でそういうのを適応させるのは不可能だと思います。やったのを見たことがある人は教えてください。。。
長くなりましたが、とりあえず中途で、意味の分からんとこで一幕を終結させたいとおもいます、
あっと、これは一区切りであって、決して連載中止じゃないです。一応完結させるつもりです。目標は二〇〇八年内で。。
では

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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/17(水) 20:36:17|
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プロフィール

可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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