弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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保護及び対策課その弐~序章~改稿ver

序章の文が稚拙且つストーリーがワカランという指摘をリアルで受けたのでここを以って改稿します。


「ちょっと待っててね。」
 主はそう言うと、中が密林と化している部屋に入っていった。
 一階の端、忘れ去られていたというイメージが適当な部屋。我に部屋を提供すると言って、付いてきてみると、この始末だ。相当放置されてきたのであろう。放置されていた建物特有の埃っぽい臭いが、鋭い嗅覚の奥を衝いてくる。
 さっき扉が開いたときにちらりと見えた限りでは、物がぎっちりに詰まっていそうだった。そして、それと同じような部屋が、幾多もあるらしい。
 家は高級分譲といったところだが、遺産は恐らくこの家をいくつも買えるだけあるだろうと思う。家にあるものを見れば大体分かるし、今まで与えられてきた餌も、そこらのペットが貰っているようなものよりも、各段にグレードが上だった。所以(ゆえん)、我の舌も肥えてしまったようだ。
 遺産というが察するところ、死ぬ寸前に両親或いは主の叔父が彼女たちに託したのではないかと推測できる。法律では、未成年にまだ相続はできないはず。また、それを邪魔する親族がいないのも、不遇といったところか。
 我は物心ついたころから、あの二人と共に過ごしてきた。断片的であるものの、大まかな経過はいつでも思い出すことができる。誰もいない廊下を寂しげに見つめる主の姿も、数少なしといえど、見たこともあった。
 ……家族……か。

「ん……意外と綺麗になったね。」
 主がぱんぱんと手を叩きながら中から出てきた。中はさっきに比べ格段に綺麗になっており、最低限の生活が営めるだけの環境となっている。
 我より頭一つほど背の低い主だが、そんな大掛かりな片付けだったのにも関わらず息を乱していない。いつもの、あははな感じの呼吸。
 踏み込んでみると、埃臭さは微妙に残るものの、気になるほどではない。ごっちゃになっていた家具やらも、きちんと小奇麗に整頓されている。昔憧れていたベッドもこじんまりと置いてある。
「んー……まだ汚い……かな?」
 首を傾げて主がそう訊ねてくる。もちろん、我はそれを否定する。
「いや。これでいい。礼を言う。」
「ふふん。どういたしまして。」
 主はにっこりと笑ってそう言った。どこまでも屈託の無い性格の持ち主である。
「えーっと……んじゃ、これが部屋の鍵ね。一応ここは個人部屋兼、倉庫だったから鍵がついてるの。お父さんが、こういうのが趣味で変な鍵なんだけど……」
 そう言いながら、部屋に備えつけられているクローゼットを漁り始める。数秒して、その手に不似合いなくらい無骨に光った鋼鉄の鍵が載っていた。確かに独特な趣味だ。
「はい、これ。」
 受け取ると、見かけ通りか反してずっしりと重い。持ち運びに不便そうだから、恐らく使われることは無いだろう。
「んじゃ、私は学校があるから……、適当に過ごしててね。物壊しちゃ駄目よ。」
 主はそう言って、部屋から去っていった。
 兼用だと言えど、物置というだけあって、大分広さがある。勉強机に本棚、箪笥にベッドと必要最低限の収納家具が置いてある。入り口から立つと死角になって分からないが、箪笥の陰にテレビが置いてある。大分、もてなされているようだ。
 ベッドに仰向けに横になると、白い天井を睨むように凝視する。外からの柔らかい日差しが眩しい。
「じゃぁ行ってくるよー!」
 と、遠くから主の叫び声が聞こえてきた。どうやらもう出発するらしい。どうせここから言ったって聞こえないだろうし、叫ぶのも気が引ける。
 欠伸をひとつかました後、就寝の態勢に入った。

 どれだけ寝ていただろうか。斜めから窓に日が差し込んで、四角く床を縁取っている。恐らく大して寝ていないはず。
 我は寝入ったら満足するまで起きない体質である所以、こうして多量の眠気をまとった状況で自然と覚醒するのは、人間になってもありえない筈。となれば、何か睡眠を妨げるような事があったはずなのだが。
 周囲を模索していると、自ずとその解答は姿を現した。玄関のチャイムが鳴っているのだ。
 子供の様に、何度も何度も間髪を入れずに連打するように鳴らしている。本当に子供で悪戯をしているのかもしれないが、ピンポンダッシュにしてはスリルを煽りすぎである。
 我の推測によれば、身内無し遠類もなしのこの平日の午前中に来客は皆無と考えていたが、どうやらその推測は見事にはずれて、このチャイム音からすると来客のようだ。
 だが……このならし方は尋常じゃない。ムキになって鳴らしているような。近所迷惑極まりない。とにかく、五月蝿(うるさ)い。
 渋々ベッドから身を起こし、足を引きずり玄関に向かう。
 しかし、半分ほど来たところでその連打チャイム音はぷっつりと途絶え、代わりに郵便受けが鳴るのが聞こえた。居ないと分かってるなら最初からそうしろというものだ。それとも、ようやく誰かいないと気づいたのだろうか。どっちにしろ、頭の容量は子供である。
 完全にいなくなると思えるまで、玄関先で待ち、いいだろうと思ったら外に出た。誰かに見られぬよう、郵便受けから抜き忘れた新聞紙とチラシを全て抜き出してそさくさと家の中に戻る。
 すぐに玄関先にそれらを広げて、先ほど入れられたのではないかと思われるものを探す。
「……。」
 らしきそれを見て、眉を顰める。
 カラオケ屋のチラシの様に派手な色遣いのそのチラシには、『警視庁特別公認人外保護及び対策課発足のお知らせ』と、大きくかかれている。
 人外……失礼極まりない言葉だが、その漢字が意味するとおりの言葉。人ではない……人であるが、人とは思えない者。それが人外。
『人であるけど他の人とは何かが違う。容姿、能力、性格、思考etc...
そんな人は寄ってらっしゃい見てらっしゃい!警視庁特別公(略)対課では、そんな人を募集しています! 知らないうちに猫耳が生えちゃった!生まれつき勘がおかしいくらい良い!超能力が使える!等等
一緒に働きませんか!?自分が人を超えると思ったら、最寄の警察署までっ!』
 やたらとテンションの高い文面。全てを三度ほど読み返して、なんとなくだが概要は掴めた。
 発足意図は分からないが、とりあえず政府が税金を無駄遣いしたいのであろう、と我は踏んだ。
 どういう経緯があったかは、当事者のみが知るのだろうが、先月政府は消費税を引き上げた。その他の税金も大幅に値上げしたようだ。乱闘が起きるんじゃないかと危惧したものの、それらしき暴動も起きずに今日までいたっている。この静寂が良くないことを予想させて、気味悪いことこの上ない。
 しかし、こんな馬鹿らしいこと政府が公認したのだろうか。ただでさえ、目隠しで知らずのうちに綱を渡っている状況で耳栓までするようなこの行為。いつ国民が爆発してもおかしくないのだ。
 それでも発足したということは……或いはこの人外とやらがいるのかもしれない。
 ただの人間の犯罪なら、人間が自ら解決できるのだ。それをわざわざ人外とやらの居るはずも無い生物を探して、そいつらに仕事をさせようというのだ……。どういうことだろうか。
 そのビラを持って、居間に行きそのチラシを机に載せて、ソファに身を投げる。
 それからふと思いつく。
 ……我も人外ではあるまいか……。
 どこと知れぬ悪寒を覚えて、ソファにうずくまる。我を世間に晒さぬよう、主たちにきちんと説明しなければならなくなったようだ。

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  1. 2008/10/03(金) 21:16:55|
  2. 保護及び対策課シリーズ
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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