弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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読書嫌いよ、永遠に

本を読みたい、っていうのが単純な欲求としてありますね。
いつだったか、全く小説が書けなくなった時期があるんですね。それはまあ、何年も絶筆して劇的に復活した作家とかに比べれば大したことのない、単に面倒臭がって、とか、続きが書けなくなって、とかいう理由だったのかも知れないが……やっぱり本を読んでいなかったから、だと思う。
そのうちに、本の感想について「面白かった」とか「興味深い」というありきたりなワードは使えなくなってきた。使わなくなった、ではなく、使えなくなった。そんなことはハナから問題ではない。でも自然に生きていれば人から意見を訊かれることはあるのだから、そういう時はごくシンプルに、「良い」と答える以外ない。結局、「面白い」とか言った時は「良い」の言い換えなんだよなあ、ってなる。じゃあつまんないものは? 「クソ」と言う。幸運にも、クソと呼べるものは読んでいないが、「ダメ」といったものならあるなあ。

本を読むのが嫌い、とか嫌だ、とか言う人がいるのはよくわかるし、何人にも出会ってきたし、寝言で「本を読めない」と断言する人も見たこと有る。俺が好んで書くようなレトリックも「鬱陶しい」と言って嫌がる人もいるんだろうと思う。というか、まあ、いる。
ある文学が難解で意味がよくわからないから、投げ出す人もいるし、怒り出す人もいるし、それを逆手に取って「こんな難しいのも分かるんだぜ」とアピールする人もいる。
正直言うと、こういう人たちを前にしたら俺は、無力でしかない。どうすればいいんだ、と途方に暮れる。
でもそれは、単純な《誰もが文字を読むことができる》という前提に立って、怯えていたんだと思う。それは、決して自明なことではない。ドストエフスキーの生きたロシア時代は文盲率が9割、或いはもっとを超えていたらしいです。そんな状況に比べれば、今は本当に生温い。読むのが嫌いなだけで、読むことはできるんだから。どんなに読むのが遅くても、いつかは読み通すことができる。嫌になっても終わらせることができる。
でもさ、それが苦痛でしょうがない、と言う人もありそうだが……そんなの当たり前ですね。俺なんて本を読んで苦痛を感じないことなんてないですよ。学術書だけじゃない、ラノベを読む時にも苦痛はある。何故苦痛か? 自分が破壊されているから。昨日までの自分がどこかで破壊されているからです。その悲鳴を聞いているからです。昨日の自分と今の自分、絶対的に全く同じでは有り得ない。これは屁理屈とかではなく……事実だと思ってます。自然状態で、何もしなくても死へと一歩一歩近づいている。変化している。だから、本を読む前と読んだ後の自分は『絶対』に変わっている。その自然な変化にねじれを加える存在なんです。昨日までの自分を破壊し、新たな明日の自分に組み替える作業が、本を読むということです。作り変えるんだから痛いに決まってます。
つまり、本を読むのが嫌いというのは、ビビってるんですよ。自分を壊したくない。
冲方丁の『天地明察』で、算哲が関孝和の著書を読もうとして、ものすごく躊躇しているシーンをよく覚えています。自分の世界が決定的に破壊されることに怯えている。でも、読む。何故読むか? 読みたいからです。娯楽としての読書だけではなく、学問としての読書にも当てはまることなんですね。
娯楽としての読書はうまく麻酔がしてあるんですね。壊れる音が聞こえないように。だから、売れる。まあ、別に娯楽として読むのなら別にそれでいいが……と思いますがね……でもね、やっぱり勿体無い、と、思う。俺は伊坂幸太郎を読むときでも、その麻酔を出来る限り無視しようと心がけます。理不尽だけどね。でも、そういう、消費の渦に巻き込まれるのはダメじゃないか……って。

本を読んで何が面白いの? って言われたら、面白いから読んでるんじゃない。「良い」から読んでるんだ、と答える。
もう立派なマゾヒストですね。破壊されることに喜びを感じている。
そして、全てがここからようやく、始まる。
たったそれだけのことなんだと、思いながら物語をいま、書いてます。
いずれ、言葉の制約から自分達は開放されるはず。どんな形になるにせよ。しかし、それは始まり続けることでしか、得ることができないのではないかと、思いながら。
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  1. 2015/02/14(土) 03:15:34|
  2. 尋常の日記・雑記
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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