弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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俺は共感能力も感情移入も希薄です。何故なら経験がないから。
自分自身の出自を自分で決められないという暴力性のもとで、本当に幸いにも俺はある程度の裕福さに生きてきた。極端にいじめられることもなく、良い友人たちを持ち、良い組織に所属し、良い学歴を得ている。
よって、ネットに溢れる卑屈さに対する感情移入も共感もなにもない。持つもの持たざるものという区分けで言ってしまえば、俺は持つものですから。正直に言って。
例えば高校で適当に過ごしてれば彼女ができると信じてたらできなかった、というエピソードのうちで憤慨しているとしたら、俺は共感ができない。ふぅん、というわけだ。色んな人の愚痴も大概、ふぅん、となる。友達が入院した、といってもふぅん、となる……。
端的に言って、俺は他人と自分を遠ざけている。というか、自分というスペースを異常に作っている。軽い発達障害なんじゃないかと思えるくらいに。そういうわけだから、俺は全く人を信用することが出来ない。深い場所からしか出発することが出来ない。

だから、俺は共感やら感情移入への不感についての心配していない。する必要はない、と思う。よく色んな物語についている「キャラに感情移入できない」というのは不当な評価ですらあると思う。ミステリがこれだけ発展してきたのだから、犯人役に感情移入できる作品はあると思う。で、仮にあなたが犯人に感情移入できるのであれば、即ち殺人は犯して良いということになるでしょ。これは短絡的な思考ではないと思う。例えば親しい人を殺されて、その殺した人間が自分が感情移入したミステリの犯人と全く同じ境遇、心情、動機を仮に持っていたとしたら、あなたはその人に同情して罪を許すんですね、という風になる。私だってきっとそうしただろうから、と。
でもこんなこと言ったら、理性的な人なら誰だって、そうじゃない、と言うでしょう。そう、だから、そうじゃない。これは解釈の問題とかいうしょ~もない問題ではなく、もっと根本的な問題です。
というわけなので、感情移入など問題ではない。

sympathyは共感という意味だけど、empathyというのも共感と訳される……らしい。
【empathy】
[また an empathy] 【心理】 共感,感情移入 〔with,for〕《他人または他の対象の中に自分の感情を移し入れること》.
いろいろググってみたけど、この二つの語の違いについての詳しい解説はない。(ので、誰か参考文献かなにかご存知でしたら教えて下さい……)
同じく共感と訳すのであれば、Sympathyは閉じている、Empathyは開いていると俺は考えています。閉じた共感、開いた共感。ここでいう想像力の問題は、全て後者にのみかかっていると思う。閉じた共感なら、誰でもできる。全て自分の周りにあるもので完結できるから。
開いた共感というのは、まぁ、要するに立場が違う相手にも自分の感情を挿入できるということ。そして、これが軸にあって初めて、表現するということ、ものを読むということが実現される、と信じる。この場合でいうと、キャラクターは手段であり、彼女ら彼らの行動は真実。そこに整合性がある必要は何もなく、そこに映し出される現象が即ち世界になる。すごい近代的な言い方をすると、内面の世界。内面なんてとっくに死語になってると思ってるから、言い換えると……まあ自分の世界とかいう陳腐な表現になってしまうなあ。

だから、「感情移入ができない」というのは字面そのままの意味では決して無い。本当に「感情移入(empathy)」ができなくて、そう言っているんだとしたら、その態度で見ることの出来る世界は自分の手の届く範囲にしかない。
……でも、自分の手の届く範囲を、人は越えていけるのか? 
その範囲を乗り越えることが、本当の創造だとしたら、それはとんでもなく恐ろしいことなんじゃないか……
その恐怖に比べたら、「感情移入(sympathy)」というのは本当に落ち着く場所であることに違いはないです。
そういうわけで、共感も感情移入も希薄と明言してしまった俺に、避難所はとっても少ないことになりますね。でも、日常が避難所であるよりはずっと良いんじゃないかと思う。「私って何?」と群衆の一人ひとりに訊ねて歩くよりは、よっぽど……。
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  1. 2015/04/04(土) 15:55:02|
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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