弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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ミームを背負ったサイボーグ



一ヶ月半ぶりのUTAUオリジナル曲です。作りました。

 「Corpse」という単語はラテン語の「Corpus」を語源にしていて、これは端的に「body」を指すものらしい。この「Corpse」はキリストの身体であり、同時にキリスト教徒を指し、即ちキリスト教的共同体をも意味していた。そして、英語やフランス語で借用されているように、「屍体」或いは「死んだように無気力なもの」をも意味する。「言語資料を詰め込まれた屍体が肉体の兵団に服して働く」と『屍者の帝国』にあるが、この一文に登場する名詞は全て「Corpse」と表現することが可能で、実際に全てに「Corpse」とルビが振られている(後に例のシニカルな感じで「言葉遊びだ」と述べられる)。
 「expanded」はa〈翼・帆・葉などを〉広げる、b〈…(の範囲・大きさなど)を〉拡大する,拡張する,拡充する、c〈容積などを〉膨張させる・〈胸を〉ふくらませる、d〈議論などを〉発展させる、とかあるが、単純に「拡張された」あたりの意味としてつけた。
 「Expanded Corpse」。最も手に取りやすい辞書的に言えば「拡張された屍体」であるけど、「Corpse」についてわざわざ語源を引き出してまで紹介したことから分かるように(それに伴って「expanded」も辞書を引いてしまった……)、ここでは「Corpse」は屍体を意味しないことにしている。理由は詞を読んでいただければ明瞭である。それでは何を示すのかか、と問われたらよく分からない、としか答えられない。わざわざ「Corpse」なんて厳しい単語を引っ張ってきた理由はここにある。

 世界観は非常にシンプルで、要するに共産主義国へのノスタルジーである。むろん、僕は共産主義者じゃ全然ないし、というかそもそも冷戦の時代に生まれてすらいない。核戦争が確かに肉薄していた時代の空気など、さっぱり知らないから、まあ、ノスタルジーなどというのは変な言い方だなあ。つまり密告告げ口当たり前の共産圏の監視社会、それから「一九八四年」ばりの管理社会です。
 この詞を書いたのは今年の2月くらいで、その時はブレランも攻殻機動隊もターミネーターも観てなくて、『楽園追放』に連なるサイバーパンク短篇集、及び伊藤計劃『ハーモニー』に影響を受けて、非常にざっくりとした世界を想定していた。つまりまあ、アンドロイドと恋をする程度で法律に触れて、あっという間に御用となるような世界である。御用になるのに、特に理由などはない。良くないと思うから良くないと皆言うのであるし、主人公である「私」もそのことには同意している。なので、そういう道徳が無い今を生きる僕達には、彼女たちが追われる理由が想像しにくいかも知れない。
 一応分かりやすい罪状としては、「ゴキブリの目」という監視機構を彼自ら破壊している。国民の税金によって「公民の奴隷」となった彼らが、監視という義務に欠かせぬ「ゴキブリの目」を破壊するのは、立派な職務放棄であり国民への反逆行為に等しい。故に彼は軍に追われ(一応彼は軍用アンドロイドという設定がある)、最終的に彼だけが罰にさらされる。人間である「私」は無罪放免というわけである。

 この筋書きは装飾に過ぎません、考えたいことはこの曲のラストに詰め込んであります。
 アニメ「サイコパス」一期で、「サイボーグ化というものは程度の問題」と泉宮寺豊久が言っていた。誰だっけ?という人は心配しなくても、僕もすっかり忘れていたので必死で調べてやっと見つけた程度の悪役です。全身をサイボーグ化したおじいちゃんです。で、程度の問題というのは、即ちスマホとかパソコンとかいうものは「身体の延長」である道具であり、そういう意味では自分の身体と同義である。それが自らの身体に食い込んでくるか、そうでないかの差でしかない、ということを言っている。同じようなことは攻殻でも言ってます。敷衍すると、例えば僕達は赤ん坊のころに各種の予防接種を受けていて、その恩恵で僕達は特定の感染病に対する抗力を持っている。つまり免疫力がテクノロジーによって拡張されていると言えます。もっと近い例を言えば視力矯正だってそうで、僕は視力が0.1を余裕で割っているので、メガネ或いはコンタクトをしないと生きていけない。テクノロジーによって何とか健全な市民として活動できている。全身を義体化した人間と違うのは、やっぱり程度の差に過ぎない。
 この曲の筋書きに於いて、「私」は歴とした生身の人間で、守られるべき一市民。一方、「君」は1から100まで人工物で作られたアンドロイド。彼はAIによって動作をコントロールし、そこに軍人用のプログラムがインストールされている。けれども、どこかしらで「不確定」な要素があり、彼が何かしらの新しい地平を切り開く思想を得てしまって、それを「私」に伝えたら。それを「私」が理解したら。
 つまり、純粋な人工物であるAIから、全く新しく生まれたイデオロギーを吸収した生身の人間は、サイボーグと呼べるのか。「わたし」と呼ぶべき価値判断体系を、AIにより創出された思考に据え置いた人間は、サイボーグなんじゃないか。
 だから、この筋書きは装飾にすぎないのです。アンドロイドが職務放棄をしたが捕まって初期化された。たったそれだけの筋書きなんです。それに女の子がくっついてただけ。それだけで物語に悲劇性が出るだなんて、思っちゃいませんよ。

 自分で作ったものは解説しないように心がけてきたが……この作品に限っては、ある程度説明を加えておかないと、詞がわかりにくいと思って、こんな長々と書いてしまった。一応、詞の元にするために小説を書いたんですが、なんとこれは未完です。完成する見込みもありません。公開する予定もありません。だって、誰も読まないでしょ笑
 この解説はある程度の部分まで自分のために書かれたものです。だから読む人は居る。僕が読みます。

 収拾がつかなくなってきたので、このへんで。
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  1. 2015/07/01(水) 21:34:01|
  2. 尋常の日記・雑記
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プロフィール

可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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