弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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共感に対するひとつの私見

 共感する、って何だか妙な言葉で、太陽が東から昇ることに共感しないし、人間が死ぬことにも共感はしない。というか、そういう風に表現しない。共感はくだらないことだ、と又吉が書いていたけど、くだらないというよりも、共感を特権的に視る意味が大して無いだけなんじゃないかな。何故なら、共感はイメージを先行させるから。それも、自分の頭の中で。受動であれ、能動であれ。
 例えば、基本的に物語は共感を得られるように作られると思いがちだが、そういうものは共感を受動/自動的に再生できるようなイメージを提供しているだけに過ぎない。共感は、その反動だ。
 『スパイダーマン』が人気なのは、主人公ピーター・パーカー/スパイダーマンが家族の死に悩み、生活に悩み、恋に悩み、ヒーローとして悩み、その葛藤を乗り越えていく等身大のヒーロー像が共感を呼ぶからである。特にベン・パーカーの死因は相当しんどい。「アメイジング・スパイダーマン」の死に方は、ライミ版よりも堪える風に描かれている。それは、自分がパーカーの立場だったら、と想像するのが容易な描かれ方をしているから、このしんどさが生まれてくるのである……が、これって共感ではない。伊藤計劃の言った通り、映画は共感や感情移入を要求するメディアではない。ベンの死を見たパーカーは、「嘘だろ」と言うが、その「言葉」自体に共感しているだろうか。そうではない、僕達が勝手に彼の心中を想像するのである。その想像の手助けとなるファクターを、そこに至るまでの過程で散々説明してきたのだ。受動的に想像し、その成果を感情として表出することを共感と名付けているに過ぎない。そういうことを、作り手は狙って「編集」するのだ。出来る限り、我々の共通感覚を刺激するような、受動的に自動的に共感を再生するような「物語」に仕立てあげよう……と。
 つまるところ、「共感」は「手段」であって、正確な鑑賞に繋がるものでもなければ読解に繋がるものでもない。ただ、食を進ませるだけの調味料のようなものであり、合う合わないはあれど食材の本質とは何ら関係はない。という結論に至る。
 では、「我々の理念に共感してくれた人は──」というような言い回しはどうなんだろう。理念に共感もクソもないと思うのだけど。「真実は正しい」という事実に共感の必要はあるか、という話だ。理念は理念であって、基本的に間違いなど存在しない。「悪こそが栄える」という理念は一見誤っているように見えるが、実は全然間違っていないし、そういう時もあるだろう。何故なら善悪は時代によって容易に移り変わっていくものだから。では「悪のみが栄える」といったらどうかというと、これは理念ではない。善悪は時代によって移り変わるものであるのだから、悪のみという限定は意味をなさない。仮にこの理念もどきに共感したというのであれば
、それは妄信、洗脳、調教の結果であり、それと同時に道具である。
 だから、「この理念に共感してくれた人と一緒に働く」等と言うのは、叙述として間違っている。そういう場合に働いている「共感」のような作用は、結局のところ、理念によるものではなく理念のもたらす虚構によるものであるから。共感を引き起こすよう加工され編集された「物語」であるから。
 強く言ってしまえば、共感してくれる人だけ……、というのは、「体よく私の掌中に入ってくれた人だけ」ということの言い換えだということになる。かといって、それが悪いというわけでもない。問題なのは、共感が一つの技術であるということ、そしてそれを特権視しないこと。もっと追及すべきことは、「共感するまでもないこと」だ。東から日が昇り、西に沈む、その繰り返しの内に人は生き、死ぬ。たったそれだけのことだ。
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  1. 2015/08/17(月) 22:16:25|
  2. 尋常の日記・雑記
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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