弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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千HIT御礼 暴風雨特別短編 『黒傘の乱』での文芸部についての報告書

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※完全番外なので、本編を閲覧していない人も、不明な点なく読むことができます。多分。

続きからどうぞ
↓   ↓  ↓

 それが起こったのは、入学式の次の日。昼休みの終了が目前となった、昼下がりの事である。
 生物室で密かに飼育されていたゴキブリ(七千六百六十二匹)が一斉脱走したのである。そのうち、三百匹程度が学校外に逃走。後に生徒によって「黒傘の乱」と呼ばれる事件である。
 犯人は副部長の笹木翔太(ささきしょうた)。昼休みに様子を見に来て、謝って脱走を促してしまったとのこと。
 脱出及び逃走したゴキブリは、殺虫剤により全滅。死骸も残らず処分された。
 生徒会は、この笹木に厳重懲戒、生物部に一ヶ月の活動停止処分を下し、この一件は終着を経た。
 だが、この騒動により、精神的に怪我を負った者が多かった。特に一年生に多い。入学した直後の出来事である。入学した直後にこのような出来事があってしまっては、大分堪えるだろう。

 さて、本編のメインとなる人物、近藤真治(こんどうしんじ)柳瀬姫翠(やなせきみどり)渉外誄羅(しょうとるいら)の通っている高校は蜀蔵高校という、蜀蔵市中ほどに位置する公立高校である。
 公立高校にしては珍しく、比較的拘束が緩く、生徒会が持つ権限もそれほどでもない。かといって荒れているかと聞かれれば、それほど荒れても居ない、平和な高校である。
 さて、知っている人も居れば、知らない人も居るであろう、寧ろ知らない人の方が多いと思われるが、この高校には公立高校に珍しく文芸部なるものが存在する。この高校の目玉といってもいい。
 なぜならば、その文芸部から三年前ほどに、一年に作家が三人誕生したという歴史があるからなのだ。
 その影響で、次の年からは入部希望者が急増したが、ほとんどが一年持たずに辞めていった。
 そんな風景を見た、天才策士であり、顧問の草薙(くさなぎ)が提案したのは、「試験制度」である。
 一次試験、二次試験とがあり、一次試験で希望者のおよそ四分の三は排斥される。だが、この値は一定ではなく、受験者の熱意によって決まるという、画期的なシステムがあるのだ。
 それが、『苦情』。
 一次試験の結果発表ではどうでもいいような受験者の名前を合格者として挙げる。それから、顧問である草薙の所に苦情に来た生徒が二次試験を受ける資格を得るというもの。しかし、この二次試験の存在を知るものは、この二次試験を受けた者も含めてほとんどいない。知っているのは、部長と副部長のみである。
 この制度は去年度より採用されており、今の二年生と一年生がそれに該当する。意外と本格的な部活なのである。
 さて、存知無い人が多いだろうが、その部活の部員はおかしな面子が多い。言い換えれば、テンションがおかしい、というのが正しい。テンションというよりは、嗜好が人の感覚から逸脱しているといえばいいだろうか。とにかく、おかしな連中である。だが、文芸部に席を確保されているという点からあり、創造能力は優秀なのは確かで、年三回発行される文芸便りは毎回売り切れ御礼である。
 『電波な連中』と近藤が評する辺り、常人の常識で彼らに接するには非常に高度な技術を要し、ましてや彼らの家に招かれるようなことがあってしまえば、その人物は即席で外交官になれるはずである。言葉の壁なんてなんのその。
 さて、寄せられた声の中で多かった声は、そんな連中があのゴキブリ騒動をどう切り抜けたのか。切り抜けた、というよりは楽しんだのか。である。
 今こうして報告書を書いている私にもそれはとても興味をそそられる議題であり、今後のコミュニケーションの参考になるかもしれない。彼らを知る人であれば、恐らくは「お?」と思える話題かもしれない。知らない人にとっても、プラス要素になり得る問題である。
 
 時は蜀蔵高校入学式の次の日。テストの前日である。
 昼休みは半分が経過し、そろそろ食べ終わって食後の会話を楽しんでいる者もいれば、外へでて汗を流すものも居た。
 そこで例の「黒傘の乱」が起きるわけである。
 一部の生徒はゴキブリ駆除に校内を駆け回り、大半の生徒はゴキブリの脅威から逃れるために外に避難していたり、構内を逃げ回っていたりと収拾がつかない。

 さて、そんな高校から少し離れた道を、文芸部員の一人がバイクに乗って奔走している。
 別に逃げ出したわけでもなく、ただのお使いである。
 彼の使命は、ゴキブリに汚染された学校を救うために、近くのホームセンターへ殺虫剤を買いにいくことなのである。
 別に教員の誰かに指名されたわけではない。命令されたのだ。誰に。そんなこと分かりきっている。
 文芸部部長である。
「鬱陶しいから、ちょいとひとっ走りして、ゴキジェットでも、ゴキブリホイホイでも何でもいいから殺虫できるものを買ってきてっ!」
 文芸部部長の権限は、生徒会副会長の権限を凌駕するほどである。地位的な問題ではなく、部長の性格の問題である。
 文芸部部長、州崎美野里(すざきみのり)
 柳瀬ほどではないが、須崎家も資産家であり、実際美野里は州崎嬢なのである。嬢ゆえに、箱入り娘よろしく育てられてきたが、中学二年生で何かに目覚めて今に至るわけである。
 快活なイメージを持たせるセミロングの黒髪に中堅的な体躯。強情でいい加減な割には、細かいところに気を使うらしく、染み一つ無い鮮麗な顔。大きな瞳が、快活さに畳をかける。一見すると、活発な暴れん坊娘という印象を受けるが、決して乱暴はしない。行動が乱暴なだけなのである。
 さてさて。そんな横暴嬢の命を受けた哀れではあるが、殊更気にしていないバイクの運転手。文芸部副部長の矢部広樹(やべひろき)である。
 一言で言えば、ただの美男子である。上手く纏まった髪に、作られたかのように整えられた顔立ち、薬物投与でもされたかのようにすらりとして綺麗な体。部長も一目惚れの端麗秀麗美麗全て揃ってお得な副部長である。
 実際、この騒ぎを鎮まった上で、一番活躍したのは彼なのだが、こんな事誰も知らない。本人を含めて誰も知らない。知っているのは、実際に殺虫を行使した教員だけである。
 バイクのエンジン音が轟く。
 彼の手に握られた万札は、美野里のものであり、彼女の今年最初の小遣いでもある。何故財布に入れずに手に握られているのか、と聞かれれば、ただ単に忘れているだけ、と答えざるを得ない。つまり、この人もどこかずれているのだ。この部活に常識人はいないのである。

 ところは変わって中庭である。一応、理屈の上では外では有るが、校舎と校舎の中立的な場所に位置しているが故、ここに逃れてきたとしても安心できない。草むらからいきなりゴキブリが飛んできてもおかしくないのだ。
 そんなデンジャーゾーンであるのに関わらず、一人の女子生徒が佇んでいる。髪は無関心なのか、背中の中ほどまで伸びており、見えない何かを見据えるその瞳は迂闊に触ると指が持っていかれそうな鋭さを秘めている。特に動揺したような気は見受けられない。何かを探しているわけでも何かを待っているわけでもなさそうだ。
「あぁっ、居ました居ました~っ。富樫(とがし)先輩~」
 そんな彼女に、病的なくらいのアニメ声が掛かる。
 富樫が振り替えると、そこにはまたも小柄な一人の女子生徒が走ってきた。
 肩ほどまで伸びた髪に、幼さを大分残させる小柄な体躯に童顔。高校二年生とは思えない外見である。無論、それは了見であり、内面はれっきとした高校生である。
 両者ともに、恒例の文芸部員。一人の女子生徒は先輩と称される通り、三年生である。
「ん」
「そんなところで何してるんですかぁ~」
「なんかコイツらに嫌われているようでならなくてな」
 背の高い方がため息をつく。彼女の名前は富樫(しょう)という。男言葉を常用していることで有名である。色々とその由来というか、そうなるに至った説が飛び交っているが、一番有力なのは「性転換手術」である。単純に、男から女に生まれ変わったが、口調だけはどうしても変更が効かなかったという、下手すれば人権を掠め取っているような説ではあるが、本人は「面倒だからもうそれでいい」とのこと。だから、実際は公式なのだが、本当の理由は不明という、謎に包まれた人である。
 対する背の小さいほう。彼女の名前は空井(そらい)ちづる。
 別段、彼女に関してはそこまで非常識ではない。だが、どうやらこの規準の論点をずらせば、非常識になるらしい。
 曰く、精神年齢と外見の年齢が一致するらしい。
 知識量は普通の高校生。だが、身体能力を除いたその他全てが外見の年齢と一致する。らしい。誰が言い出したのかは知らないが、随分とまた厄介な人物である。幸いにもやんちゃではないらしい。
 ちなみに、彼女に好意を抱く人間は、賢者として崇められるらしい。
「嫌われてる……ですか?」
「あぁ。普通に廊下歩いていても、全く襲い掛かってこないんでな。外ならかと思ったんだが」
 理屈が良く分からないことを言う憧。一応、文芸部員である。
「へぇぁ……あんなのに襲い掛かってもらいたいんですか?」
 ちづるが肩をすぼめて、そう訊いた。憧は自嘲するかのように、口端を吊り上げる。
「ストレス解消にはいいかと思ったんだが」
「わわわ、先輩目がアブナイですよ~、きっと嫌われているというよりは、先輩がゴキちゃんのことをあまりに嫌いなんで、無意識のうちに回避してるんですよ~☆ だからチルちゃんと一緒にここの敷地外に亡命しましょうよ~」
 チルちゃんとは、彼女の一人称である。察するにちづるのちとるを繋げただけのようだ。
 しかし彼女、外見と口調の割には、言っている言葉の老獪さが際立つ。言っている言葉は大人そのものだが、内容は子供そのものである。このギャップに苦しむ同級生は多い。
「んー、んじゃそうするか……」
「そうですそうです。そうすれば万事型に嵌めるかの如くすっぽり収まりますから~☆」
 ……この二人はいつもどおりである。

「黒く醜い地獄からの使者めが、斬っても斬っても沸いてくるな……」
「うわぁぁん……早く逃げよぅ……気持ち悪いよう……」
 校舎内部。ゴキブリの大脱走は佳境を迎え、ほぼ全員が脱走を完了し、大空への飛翔をはじめようとしていた頃か。
 混沌とする、阿鼻叫喚な校舎内。生徒は喚き、逃げ惑う。その内に近藤及び姫翠達も混ざっていたのは、また別の話である。
 流れの因果に逆らわずに行けば、そこでそんな会話をしている彼らも文芸部員である。が。
 前述の会話で示唆される通り、片方は時代錯誤の極みを尽くした殿方である。
 名前は黒形翔一郎(くろがたしょういちろう)という健全な日本人。
 どこかの誰かがクラス割で一番一緒になりたくなかった奴の堂々ナンバーワンである。悪い奴ではないのだが、会話すると少々疲れる。憎めないのだが、やはりどこかずれている。というか、嗜好が変。 と、いたれつくせりな変人である。
 先ず外見。コスプレである。忍者の。
 頭にぐるぐると黒い布を巻きつけて、片目だけを露出させている。因みに日替わりらしい。決して隻眼というわけではない。ちなみに、それ以外の服装はきちんとした蜀蔵高校オリジナルの悪評高き制服であるから、外見からして変人だということが分かる。一応校則で、学校生活においての防寒着の着用は認められていないのだが、どういうことか生徒会執行部はだんまり。本人曰く、「これは己の影であり、我の一部であり、決して外せない唯一無二の肉親である」との意味深発言。とりあえず防寒着ではないとのこと。生徒会曰く「話が通じない上に、凶器を所持しており、穏便な策での解決が不可能との見解が下されたので、黙認という形をとった」とのこと。
 凶器、と聞きは物騒な代物であるが、そんなものを彼が学校に持ってきたとしていたら、恐らく警察沙汰になっていることは必須。どんな変人といえど、日本人で有るが所以、法に従うのが理であるから、彼はこの「黒傘の乱」でのゴキブリ殺害数一位(三千二百六十三匹)を獲得することは不可能なのである。
 彼が所持しているのは、高級和紙と蒟蒻糊を用いた剣である。一般論でいうと、『紙剣』と称されているが、本人は「妖刀正宗」と呼んで愛用している。木刀といい紙剣といい、どうしてもそう高貴で著名な剣の名前を使いたがる者が多いのか、というのは作者の嗜好に問題があるようだ。
 さて、そんな約一名から「クロたん」という仇名で親しまれている黒形の近くで蹲る(うずくま)ように後ろに隠れている女子生徒は、文芸部員の中で一番まともとも謳われる落合志奈(おちあいしな)である。
 部長より少し高いくらいのやや長身で、部長と同じ程度の髪をポニーテールにしている。時折ツインテールになるとか、そんな噂もあるらしい。そして、線のくっきりとした顔であるものの、こういったショッキングな出来事が起こらない限り、そのガラスの様な瞳の半分は常に(まぶた)に隠されており、一度彼女が暇だと感じてしまえば即席で夢の世界にワープすることができる、「睡眠中毒者」である。放って置けば、軽く一ヶ月はナマケモノと同等の生活を送ることが確認されているところから、不眠症ではない。単に眠るのが好きなだけのようだ。
 ショッキングな出来事、というのはこういった昆虫類及び雑菌類が大量繁殖をし、加えてそれが自分の周囲を常時徘徊しているこの状況もその一つとして考えてもいいらしい。きめるのは彼女の瞼である。
 というわけで、彼女の瞳は晒されるべき部分全てが晒されている。一応、レアな光景であるが、そんなコトに気を留めている者は、本人を含めて誰も居ない。黒形は黒形でゴキブリの殺害に夢中である。どうして、こうも殺害衝動に駈られるものが多いのか、という疑問も作者の嗜好というもので片付けられてしまうのは、いささか遺憾を感じてならない。
 どうでもいいことだが、よくよく見てみると、普段のとろんとした顔よりも、こうして目玉全開の方が愛嬌があって、キューターなのは仕様らしい。
 さて、そんな二人、特に忍者オタクさんの方であるが、とっても元気である。さながら水を得た魚、ゲームを得た廃人ゲーマーである。
 しなやかに正宗で空を薙ぎ、ゴキブリをどんどん殺害。闇雲に斬っているように見えるが、よく観察してみると、ゴキブリの己の可動範囲を限定させて、嬲り殺しているという意外にも酷薄な性格の持ち主である。しかし、そのテクニックは常人を遥かに凌駕している。本人曰く「忍者修行の成果」とのこと。どんな修行なのか、という点については禁則事項らしい。
 しかし、いくら名前が『妖刀正宗』という大層な名前がついていようと、どんな高級素材であろうと紙製である。ゴキブリの体液を浴びて、へなへなになりつつある。
 だが、黒形氏、全く気にせずゴキブリを撃破しまくる。ゴキブリも我先にといわんばかりに突っ込んでくる。殺されたい、というよりは、挑戦本能であると推測される。
 やがて、千匹ほど殺めたころだろうか。ゴキブリの数が激減した。しかし、十分で千匹というのは常人ではない。一分間で百匹である。一応、文芸部員でも高校生である。第一、誰が阿鼻叫喚のこの地で、学年一の変人と謳われる男のゴキブリ殺害数を数えるほどの寛容を持つのであろうか。つまり、千匹というのは自称、彼が勝手に定めた数字である。
 志奈に至っては、涙目でひたすらこの惨劇が去るのを待っていたわけだが、ゴキブリの数が激減したのを見て、瞼を繰る筋肉の活動を抑制し、瞼で瞳を半分隠した。いつもの表情に戻ったわけだ。ちなみに、この現象は反射で起こると推考されている。
「ようやく収まったか……」
 黒形はそう呟くが、実のところ黒形の脅威に慄いたゴキブリ達が他の校舎への奔走を開始したのである。
 それを知らずに、志奈は安堵する。
「よ、良かった……、ね、早くここから逃げようよ……気持ち悪いよ……」
 その提案は、後に志奈を再び同じ地獄へ引きずり落とす引き金となった発言であることを、彼女は知らない。その場で騒動が終着を遂げるまで、その場で待機しておけば、黒形が再びゴキブリの大群を見つけて大量殺戮に走ることを防げたのである。後に彼女は家でうんうん唸って、眠りについてしまうこととなる。
 しかし、そんなことを呑気に推察できるだけの分別が彼女にあったとは思えない。というか、全人類にあるとは思えない。
 廊下は大量殺戮によって生じたゴキブリの死骸と体液によって満たされ、体液に赤い染色を施せば、何人吐き気を訴えるかするか分からない程である。黒形が常人であれば、それは賢明な選択だったであろう。
「そうするか。まだ殺し足りん」
 その黒形の問題発言を、志奈は聞いていなかったのは瞭然である。

 所は変わり、校門前。時は昼休み終了のチャイムが鳴らされた二十分ほど後だろうか。
 擬態効果をつけるのであれば、頭から湯気を出しているほど、ぷんすかと起こっている女子生徒が佇んでいる。
 一応授業中なので、学校敷地外に出ることは御法度であるのだが、彼女は堂々と校門から脱走して、ひたすら何かを待っている。避難してきた敷地内に居る生徒達は、そんな彼女を嗜める権利を持っているものの、嗜めるほどの勇気が無いらしい。
 やがて、バイクのエンジン音が聞こえてきた。彼女は機敏にそれに反応する。
「遅いっ!」
「やぁ、すみませんねぇ。万札を紛失してしまったもので」
 バイクのフルフェイスのヘルメットを頭から外しながら、そう応えたのは、かのイケメン文芸部副部長の矢部広樹である。その美麗な顔に苦笑を浮かべて、言い訳を述べる。万札をミラーの付け根に挟んでおけば、紛失するのは当然の結果であるが、彼には予想だにできなかったらしい。やはりずれている。そのまま握っていればよかったものを。
 さて、そんな矢部に悪態をつくことが出来るのは、この学校でただ一人、彼を崇拝している文芸部部長の州崎美野里である。
 外見は、生粋のスポーツ少女、という感じであるが、一応文芸部の部長である。今日の髪はきちんと纏めてあり、その不機嫌に眇められた瞳には、好奇心旺盛の光が灯っている。
 そんな外面だけみて、彼女を資産家の令嬢だ、と推測できる者が居るのであれば、即刻推理小説作家にでもなってみればいい。その洞察力があれば、必ず成功するだろう。

「それで、頼んで置いたあれは?」
「これです。買占めという形になってしまいましたが」
「いいのいいの。どうせ三日以内にまた陳列されるんでしょ。それなら困る人なんていないわよ」
 酷く捻じ曲がった理屈を述べて、美野里は矢部からゴキブリ駆除用品が詰まった袋を受け取った。
「それを起動すれば、ゴキブリは一斉に死亡、この一件は丸く収まるということですか」
「そゆことね。お釣りは貰っていいわよ」
「そういうわけには行きませんよ。仮にでも部長のポケットマネーですしね」
「……ありがと」
 因みに、身長差は二十センチほどありそうである。とんだ凸凹コンビである。
 二人が並んでみると、恋人同士と受容しても問題は無いように見えるが、両者ともその気は一切無く、美野里は崇拝対象として、矢部は同業者として互いを見ているようだ。
 その二分後。校舎でそれらが一斉に起動し、ゴキブリは一斉に逝去。こうして「黒傘の乱」は終着を経たのである。

 一年生はこのとき未介入だったため、記録は残っていない。
 さて、この経歴から察するに、この騒動に巻き込まれた生徒のとる行動パターンは三つに分けられることが判る。
 一つは、ストレス解消の一環として哀れなゴキブリを殺戮していく生徒。姫翠や黒形に当てはまる行動である。いずれにしろ、ゴキブリと常に(言い方は悪いが)共存して、殺害に慣れている人物に当てはまるようだ。
 二つ目に当てはまるパターンは、避難組である。これは単純に、ゴキブリが苦手、という理由においての避難である。ごく一部、嫌われている者も居るが、それもこれに当てはまると思われる。
 もう一つは、平和を求めてのゴキブリの殺害である。ゴキブリの殺戮に走っていた大半の生徒はこれに当て嵌まる。近藤や、矢部達がそれに該当するであろう。

 以上がその報告である。
 逃げ出した三百期程度のゴキブリに関しては、見つけた人の良心で生かすも殺すも自由にする、という判断が下された。妥当というか、それ以外に選択肢は無かったのだろう。
 ちなみに、この騒動にピリオドを打った部長副部長の名前が公にされていないのは、顧問の性格に原因があるようだが、詳しくは解明されていない。それは後ほど明かされることだろう。
 さて、結論から言うと、文芸部員限定の奇抜な動きは見られなかった。憧と黒形を除けば、ほとんどが他の生徒の行動概念に当て嵌まっている。というわけで、期待していた結果とは大きく逸れてしまったようだ。一応彼らも人間だということが証明されたわけだ。
 
 ──ここまでで報告書は終わっている。



はい、こんばんわ。霞弐屍兎です。
いかがだったでしょうか、特別編。本当に番外だったでしょう^^
えぇ~と、一人他サイトさんのキャラと名前がかぶったナイスガイが居ますが、あれは不慮の事故です。本当に申し訳ない。
あのキャラたちが誕生したのは、一ヶ月前……?某小説投稿サイトで暇つぶしに投稿し始めたときです。
本当に知っている人は知っているんです。彼らは「今日の文芸便り」に登場しているんです。
だけど、我のいつもの悪い癖で、すっかりと忘れ去られてる存在となってしまいました。
そこでこの千ヒット。何かの思し召しでしょうね。
というわけで、今回に至ったわけです。というわけで、名前が被ったのは本当に不慮の事故であることをご理解いただけますよう
さてさて、軽く解説を。
これは、一年生の新入部員があと三人居るわけですが、彼らが入部する前に起こったこの黒傘の乱でのニ、三年生達の行動の記録ですね。「今日の文芸部便り」に登場する人物紹介といってもいいです。
えぇ、もう小説家になろうさんで筆をとることはないと思いますが(ry  ふが……、そこはご勘弁ください。ちょいとツメツメなので……。とりあえず、短編という形でときおり彼らに触れたいと思います。もしも要望が多ければ、暴風雨の方に出演、というのもあるかもしれません……。
キャラの解説を少し。
まず部長。
分かる人はすぐ分かるでしょうが、有るキャラの影響をもろ喰らってます。
○○の○○の○○○う○さんだとか、○○ハ○○さんだとか、その辺の煽りを喰らってます。
とりあえず、傲慢で強情で頑迷で頭が切れるお嬢様のような部長が欲しかったんですね……。
次、副部長。
お察しの通り、○○○樹君ですね。そのものです。ちょいとゆがみを生じさせないと本人になってしまうので注意しなければ……。
彼は、部長の保護者的な役ということで投入しました。一番動かしやすい人です。
次は富樫さんでしょうか。
彼女に関しては、親である霞弐本人も良く分かりません。どう非常識でどう人と違うのか、作った本人がわからない、言っちゃ悪いですが、存在が非常識な人です。誰もこの人のことを知らないんですから。
とりあえず、突っ込み役として動いてもらうことになるかもしれません。
次は空井さん。
彼女もそうですね。煽られてますね。もろ○人の○○○の○ニ○様ですね。ハィ。
いくらなんでもこれは駄目だろう……ということで、今回大幅に修正しました。そしたら、どこをどう間違えたのかロリ娘になっちまった……orz
まぁ……上手くまとめてくれっ、未来の俺っ!
次は黒形君。
彼が一番好き。というか、彼が一番最初に思いついた部員です。
問答無用でこの人は本編に出すつもりです。マジで好きです。変人ですが好きです。
……紙刀という武器は、気がついたら持っていたので使わせてもらいました。
動かしにくいし、言葉も老獪で扱いづらい限りですが、彼には暴風雨の方で近藤君たちと戯れてもらいます。お楽しみに。
最後は、落合さん。
彼女は、いつも霞弐の脳内に気がついたら居る人。弐によく苛められている人です。哀れなので、今回出演という形にさせて頂きました。
睡眠中毒者という、なんとも羨ましい病気の持ち主ですが、彼女は基本的に部長に弄くられる人です。結局立場は変わりませんね。……まぁ、彼女はとろんとしてるんで大丈夫でしょう。
ちなみに、あと三人、新入部員の一年生が居ます。
一人は裾野くんです。
一応主人公(だった)なので、平凡な男の子です。未来の霞弐です。←妄想的な意味ではなく。 文章の表現力が突飛している代わりに、ストーリーが稚拙という稀な特技の持ち主です。
そして、そのパートナーの奈倉さん。
無理に裾野君を唆して、タッグを組み、二人三脚で文芸部に入部した、Cさん曰くツンデレらしいです。自覚はないのですが、どうやらツンデレに近い性格になったので、ツンデレとさせていただきます。
えぇ、彼女は想像力は豊かなんですが、文章が小学生並という裾野君に並ぶほどの稀な特技の持ち主です。
そして、裾野君の親友の小森君。
彼がこの部の中で一番テンションが高いですね。仇名は蝙蝠君です。
その独特なテンションの高さで文芸部の仲間入りを果したわけです。

えぇ……こんなもんでしょうか、キャラの解説は。いかがでしょうか……。
全部突発的な思いつきで(一人を除いた)誕生したキャラ達です。
(一人を除いて)本編の暴風雨に登場するかは定かではありませんが……要望があったら……是非!どんな鬼畜な要求でも果たして見せますっ!
というわけで、感想どしどし言ってもらって結構で~す。
では、これにて失礼します。
ノシ

⇒to be countinued
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  1. 2008/11/16(日) 23:50:49|
  2. 明日は明日で暴風雨
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

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