弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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Program 第六章

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暑い夏も過ぎて、これから秋です。
……んでも暑いです。まだまだ暑いです。どうせなら今くらいに夕立とか大雨とか積乱雲とか降って欲しいです。はぁ。
さてと。はやいもんでもう六章。この先終わらせるつもりはありませんが、コメディスタッフとは違って、最終目的があるからいつか終わるでしょうね。だから飽きたら終わらせます。適当に;目標としては五十章までいかせたいですね。……はぁ。


Program6
 薄暗かった。空は木の葉っぱが覆い尽くしている。虫の泣き声おぼしき音が、八方からおしよせてくる。湿気が空気を支配しているようで、汗が乾かずにじとじとする。不快だが、こういう状況に耐える訓練も受けていたので、気にならなかったが。
 アリスは、周囲の気配に気を配りながら歩いていた。ほとんどいつもレンジャーの役割を果しているため、こういう役目も自分の役目だ。
 時折ガロと遭遇することがあったものの、単体が多かったから特に問題は無かった。
「そろそろ二つ目が切れるな。」
 クリスが、時間の目安となる砂袋を見て言った。
「大分奥まで来ちゃいましたね。」
「何も無いか。周囲に。」
「はいー。虫ならともかく、魔物はおろか動物の気配もしませんね。」
 でもアリスには自信が無かった。その十三人のパーティにはアリスよりも腕利きのレンジャーが居た。それでも囲まれてから気づいたのだから、あまりあてにはならない。
「ナイフをなげるなら目とか口とか柔い部分を狙うんだ。初めて会う奴は得体が知れないからな。」
「もちろんです。」
 アリスはポケットの中にある短剣を確認した。今まで使ってきた、刃が傷んで血が染みとなってこびりついている、威力重視のものから、先ほど買った命中率重視の短剣。刃が反れており、三日月の様な形をしている。まだ投げていないので、投げやすいかは分からないが、軽い分投げやすいはずだ。
 威力がない分、狙うときは急所や目などといった、要所を狙う必要がある。中途半端に傷つけても逆にこちらの墓穴を掘るだけである。空を飛んでいるのであれば、空を飛んでるときに翼に当ててしまえば、それで終わりだ。でも相当当てるのは難しい。
 一応アリスも騎士号を持っていたので、剣も携帯している。軽くて、懐に入れやすいレイピアを持っているものの、ほとんど止めはクリスが刺してくれるので、使ったことは無い。アリスとしては、短剣がなくなったときの最後の飛び道具として使おうと思っている。威力はそれなりに期待できると思う……。
「……居ないな。」
「あの方のお話によると、そろそろなんですけど……気配が感じられませんね。」
 アリスは周囲を見回してみる。獣道すらない森は迷いやすい。まっすぐに進んでいるつもりでも、気づいたら大分逸れていて、そのまま引き返すとさらに奥に進んでいるというケースも珍しくない。
 周囲は奥が見えないほど暗く、虫等の効果音が空に消えていってるだけで、魔物を含めた動物の気配がしない。
「……しかし……どうしてやられたんだろうな。」
 クリスが口を開いた。アリスは訊き返す。
「十三人編隊ですか?」
「そうだ。そいつらには俺たちよりも腕のたつ奴がいただろう。それなのに何故負けたんだろうな……。唯一の生存者も倒した奴の首を持ってこなかった。」
 アリスは不謹慎だが、思いついたことを口にしてみた。
「もしかして……逃げてきたのでしょうか。」
「…………そうだとしたら。何かを聞き逃したかもしれないな……。」
「だとしたら……そいつらの力というのは如何ほどなのでしょうか。」
「……攻撃力に関してはガロと変わりはないと思う。だが……回避に関しては、空を飛んでるものよりも上回るかもしれん……。」
 二人が地を踏んで進む音だけがしている。空は完全に見えなくなって、昼なのに闇が支配力をもっているかのように暗い。
 アリスは不意に足を止めた。
「どうした?」
 クリスもつられて足を止める。周囲は静寂に包まれた。しかし……それは。
「虫の……鳴き声が聞こえなくなりました。」
「……。」
 周囲は完全な静寂が支配している。アリスは気配を感じ取ろうと、神経を駆り立てるものの、何もいる気配が見られない。
 金属がこすれあう音がしたと思ったら、クリスが剣を抜いていた。それも先ほど買った剣で、鈍い光沢を放っている。なかなか上等な大剣である。
 アリスもポケットからナイフを取り出した。最初は威力重視のナイフ。外れると帰ってこない可能性が高いので、使い古しからどんどん投げていくのだ。
 二人は背中あわせで、周囲を見回す。気持ち悪いくらい静かな森に、アリスの唾を飲む音が大きく聞こえた。
「……どうだ。」 
「……まだ……あっ……。」
 刹那、何かが破裂したかのように、無数の殺気がアリスの神経を叩いた。気配を感じようと過敏になっていたから、こんな突然の殺気の発生は負担が大きかった。視界が傾く。
「大丈夫か?」
「……ひ……きました……多いです……。」
 アリスはなんとか立ち直って周囲を見回した。殺気はそう遠くない場所から発されている。殺気から察するに、やつらは飢えているが、食料的な飢えではなくて、精神的な飢えである。
「……やりましょう……。」
「おし……。」
 クリスが大剣をぐっと構えた。アリスも短剣を握り締める。
 木々の間から何かがすざまじいスピードで飛び出てきた。アリスは濡れた地面を一蹴してサイドへ飛んだ。クリスが振り向きざま、その飛び出してきた影に渾身の一撃を放つ。だが。
 鈍い金属音がして、剣が弾かれてしまった。
「……!」
 これはまずい。アリスは直感で感じ取った。
 飛び出してきた影は、アリス達に具体的な姿を晒した。ガロをかなり大きくしたような姿に、四肢の先には強靭な鉤爪。目は三つあり、それぞれぎょろぎょろ動いている。黒い体毛に、尻尾が三本あって、うねうねと動いている。そして、口。顔の半分近くが口で占められているのではないかと、思うほど口が裂けている。そして──その体は鋼鉄の様に堅い。
 それでもクリスは、恐れずに剣を振るった。魔物は避けようとしない。まるで、愚かな人間を嘲笑うかのようにその場に立っている。
 甲高い金属音が響いた。
 アリスは首を振って、魔物の目に向かって短剣を投げつけた。しかし、魔物が目を閉じると、あっさりと弾かれ地面に落ちてしまった。
「クリスさんっ!」
 アリスはクリスに呼びかけた。
「ここは駄目です!一旦退きましょう!」
「あ、あぁ……。」
 どの部分を叩いても金属音しか生み出さない魔物を叩いていたクリスは、アリスの方を見ると、アリスに駆け寄っていった。それを見た魔物が一斉に木々の間から現れてきた。
囲まれていたのだ。
「アリス……。」
「は、はい。」
 クリスは、剣を構えたまま表情をアリスに見せないように言った。
「逃げろ。」
 これと似たようなことを言われたような気がする。いつだったか忘れたが……恐らくは半年前の帝都没落。
 リゼル……。
 アリスはぶんぶんと首を振った。
「駄目ですっ……。私はそんな……。」
「二人ともここで死ぬよりは、どっちかが生き残った方がいい。」
「死ぬなんて……言わないで下さい……。」
 クリスは、困ったような顔をして、アリスをみた。魔物は、嬲るようにじわじわと距離をつめてくる。
「……お前には目的があるんだろ。俺には無い。それなら……」
「だ、駄目です……。」
 アリスは、子供みたいに繰り返した。魔物はじわじわと歩み寄ってくる。一歩ずつ近寄るたびに、息遣いが明確に分かるようになってくる。
「……それじゃ、約束をしよう。」
 クリスが言った。アリスは何か不安を覚えた。
「必ず戻る。」
 ──リゼルは必ず戻る。
「嘘ですっ!!」
 アリスは叫んでいた。気づかぬうちに涙が目から溢れていた。
「わ、私は、信じません……そ、そんなこと……。」
「……。」
 クリスは、何か人の運命を変えるものを悟ったような顔をしていた。それが、アリスの不安を急き立てる。
 クリスは口を開いた。
「お前だって……そんなことを信じてるんだろ?」
 アリスは首を振った。
 そうだ。信じてる。いや……違う。
 これは願望なんだ。
 信じたくないことを……事実を受け入れたくないから、他のありもしないことを信じている。……いつだってそうだ。
「そんなことないだろう。」
 クリスが言った。
「自分の気持ちを塗りつぶしてるんだお前は。そんな弱い奴だったら俺はあのときとっくに見殺しにしてた。分かりもしないことを、勝手に事実と決め付けて、それが嫌だから新しい虚実をつくりあげてそれを信じる。結局本当のことはわかってないんだろ?それなら信じる余地だってあるはずだ。お前だってそれを信じてきたんだろ!?違うかっ!」
 魔物の一匹が吠えた。クリスが怒鳴ったのをみて、威嚇と思ったのだろうか。
「……その点俺にはそんないい目的は無い。ただ放浪しているだけの奴。一人死んだところで世界が変わるわけではない。」
「変わります……。」
 アリスはかすれた声で言った。
「皆悲しみます……。あの今日道であった商人の方も言ってました。森に近づくな、と。それはクリスさんのことを思って言ったんです。それでも私たちはいま此処に居ます。それでクリスさんが此処で死んだと聞いたら……どんな気持ちになるでしょう……。それは……あの生存者の方と同じ気持ちのはずです。」
 クリスはため息をついた。
「お前が死んでも、その恋人は悲しがるだろうな。」
「なら一ついい案があります。」
 アリスは言った。クリスが意外そうな顔をした。
「耳を貸して下さい。」
 クリスがアリスの口もとに耳を持っていった。
 そのとき、アリスの右腕が動いた。魔物の一匹が悲鳴を上げた。
 アリスは、クリスの腕を持つと、その悲鳴を上げてる魔物を踏みつけて、逃げ出した。
「二人で逃げるんです!」
「なるほど……。これまた斬新な発想だ。」
 単に不覚をついただけ。あいつらは人間の最期を見て楽しんでたのだ。きっと他にも仲間が張っていて、ひとりだけ逃げたときそっちで捕まえるように仕向けていたはずだ。
 それなら絶対に二人で逃げた方がいい。
「あたったからいいものの、外れてたらたぶん終わりでしたね……。」
「嫌なこというなよ……。」
 濡れた森を走る。魔物の咆哮が四方八方から聞こえてくる。気配をもろに晒している今、魔物の位置を把握することはアリスにとって容易かった。
「多分三つ目の目が弱みだな。」
 クリスが走りながら言った。
「え?」
「多分あれを潰せば、普通の奴らと同じ硬度になるはずだ。」
 多分勘なのだろうが、クリスの勘はあてになる。
「不意をつければ、目に当てられますが……。」
「んでもこの数じゃどうしようもないな……。前方の奴を転ばせれちょっとくらいの足止めになるかもしれないな。」
 突然、左のほうから魔物の一匹が突っ込んできた。大きく口を開いており、緑色の粘液質の唾液が歯から垂れている。アリスは反射的に身をかがめると、その背中ぎりぎりを魔物の鉤爪が通過していき、その牙は木を引き裂いた。そして……その木はクリスとアリスをうまく二手に分かつように倒れた。
「あ……。」
 その木は大きかったため、下手に乗り越えようとすると追いつかれる。かといって、二手に分かれたままだと危ないだろう。それにしてもこんな巨木を一撃で倒すとなると、その牙の威力は計り知れない。
「そのまままっすぐだ!」
 クリスの怒鳴り声が聞こえてきたので、アリスは態勢を立て直すと、走った。
 一匹が後ろからおいついてくる。一歩ごとにその差が縮まっていく。相当足が速いみたいだ。
 牽制として、一本使い古しのナイフを投げた。魔物は足を休めることなく、高速で飛んできたナイフを牙で弾きとばした。身体能力もガロとは比べ物にならないらしい。
 木のてっぺん──分断していた木の終わりが見えてきた。無数の葉っぱが地面に突っ伏している。枝をナイフで切り裂きながら、クリスとの合流を急ぐ。
 ようやく葉の森を越えたところで、魔物に追いつかれた。甲高い咆哮と共に襲い掛かってくる。人間を殺すときに訪れる興奮を抑えきれないのだろうか。
 アリスは一瞬死を覚悟したものの──懐からレイピアを抜くと、魔物が開いている大きな口の中にレイピアを力いっぱい差し込んだ。
 魔物が苦しみの咆哮をあげて、間もなくその場に崩れ落ちた。上手く頸を潰せたらしい。そして、体内は鋼鉄ではないらしい。いい事を知った。
「アリス!無事か!」
 クリスの声が聞こえて、アリスは振り向いた。──そこには肩を抑えたクリスの姿があった。
「け、怪我してますっ!」
「かすり傷だこんなもん!早く行くぞ!」
 かすり傷とは程遠い出血量だったが、逃げることに異存は無い。一匹倒したものの、まだまだ魔物は無数に居るのだ。
 アリスは、木や岩の特徴を覚えていて、それを頼りに町へと向かっていた。念を押されても自信を持って言い切れる自信は無いものの……信じるほか無い。
 雑草と枝を踏みつけながら、暗闇を疾走する。後ろからも枝が踏みつけられて折れる音が聞こえてくる。
 気が付くと、左右の暗がりの中にそれぞれ一匹ずつ、アリス達と並んで走る影があった。それぞれの息遣いがよく聞こえてくる。ほとんどアリス達を追ってくるのに筋力を使っていないみたいだ。これでは分が悪い。
「……。」
 クリスもそれに気づいているようだった。とても耐えられない沈黙が重く、アリスは立ち止まりそうになる。
「口です。」
 アリスはそう呟いた。クリスがアリスを見る。
「口と目です。」
「……やれるか。もって一瞬だ。」
 クリスの言葉が意味することは一つ。不意打ちで左右の魔物を倒すこと。この位置からすると、狙うのは口だろう。
「フェイントを掛けて、口を開いたところを狙います。まずはクリスさんの方からやります。」
「……。」
 クリスは無言で頷いた。
 そして行動に移す。
 前ぶれもなく、アリス達は驚いたように見せて立ち止まった。その瞬間、魔物が牙を()いて、襲い掛かってきた。
 クリスの側──右がわの魔物の大きく開いた口に、ナイフを投げつけた。飛んでいったナイフは口の内側から、魔物の頸を引きちぎり、動かない肉の塊へとかえた。
 でも、それを確認していたから反応が遅れてしまった。アリスは自分の無力さを痛感した。
 振り返ると、魔物の大きな口が近づいてきていた。

……真面目ですね。本当に自分で見てみても。真面目です。。可愛そうなくらい真面目です。ちょっとネタ要素でもおりこんでみようかと思いましたが、それだとシリアス目当てで着ている方も居るでしょうから、やめときます。でもシリアスは苦手です。手が痙攣を起こします。はぁ。

キーボードのAとSの文字が完全に消えてしまいました。MとNはひらがなしか残ってません。年季を感じます。思えば自分は下手すると一日5万ちかくキーボードを叩いてるわけですから、無理もないかもしれません。新しいのが欲しいorz

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  1. 2008/09/03(水) 21:02:08|
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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