弐つの遊戯卓

【五年目】 毎日頑張ってやりくりしていきてます。物書き、音ゲーと合唱やってます。最近DTMとか始めました

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ここからが本当の……!

夏休みですね。通知表は、まぁいいや。推薦どうしよう。俺が女子なら間違いなく推薦だけどな。
でもさー、なんか推薦でいったらつまんなくない?って風に思い始めてる俺ガイル。
半年間ニート高校生生活も良いけど、なんかひたすらに勉強したいような俺がいる。成長していきたい俺がいる。
代々木の模試が帰ってきた。早稲田がD判定……っ! 夏必死こけば、Cくらいいってくれますかね……。
部活、最近調子が良いみたいだけど、そこで気を抜くと本当にあっさり瓦解するだけの能力なので、できるだけ引き締めまくる方針でいく。
台風のおかげで、さっさときり上げてくれるのが嬉しい。

で、
追記に置いてあるのは、丁度一年前くらいに俺が書いてた小説。
題名は「人生という名のギャルゲー」
もちろん、未完結。多分、起承転結の承までいってない。
ざっくり言うと、今日これから追記するのが一部だとしたら、六部しかありません。
でも、お蔵入りも勿体無いので、黙々と上げていこうと思いますんで、興味あったらどーぞ。

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   一

 俺はもうすぐ十七になる男である。名前はきちんとある。早田将一という、如何にも日本男児といった名前がある。
 部活動はしていない。成績は中の中。ほとんどの学校に一人はいるであろう、やけにパッとしない人物であると、自認している。
 その部活については、吹奏楽に興味があったのだが、人気なのか部室がパンク気味だったので、遠慮しておいた。
 そんな視覚的な疲労感によって、帰宅部となってしまった俺であったが、勿論、家に帰ったところで暇で暇でしょうがなかった。
 去年、入学から一月ほど経ったある日、あまりの暇さに耐えかねて、近くの公園に向かった。小学生の頃、よく遊んでいた公園だった。中学に入ってからは、めっきり立ち入っていなかったが、あまり風変わりしていなかった。
 俺は風化したのかやけに白いベンチに腰かけ、ぼけっと人っ子一人居ない公園を眺めていた。別に、子供のインドア傾向が進んでいたから、とかそういうわけじゃなくて、単純に時間が遅かったからだろうと思う。街灯がやけに明るく点いたのを覚えている。
 滑り台はやけに小さく見えた。すぐ脇が砂場だったので、よく上から飛び降りたりして、大目玉をくらっていたものだ。お陰で、高所恐怖症ではない。
 ブランコはやけに低く見えた。大きく漕いで、思い切り靴を飛ばす遊びが流行っていた気がする。ある時、通りすがりの自転車のカゴに入って、驚いた運転手が転倒して、思い切り怒られ、それ以来、禁止になったが、それでもちょくちょくやっていた。
 ジャングルジムは、当時不人気な遊具だった。遊びつかれて帰ろうか、という夕方に、ちらとそれを見たら、夕陽に照った姿がとても寂しげで、「明日は遊んでやるか」と思ったことがあった。確か、その次の日は風邪をひいて寝ていた気がする。
 見上げると、視界の端に葉っぱの群れが映った。この公園の象徴とも言える、ドでかい木である。といっても、このレベルだったら、山に行けば林立しているだろう。夏は虫の宝庫だった。そこらの土を掘ればカブトムシの幼虫が居るし、少し木を昇れば蝉が三匹はいつもいた。早朝に行けばカブトムシもクワガタムシも居た。今もきっと居るだろうが。
 そう、回想を繰り広げていたら、少しセンチメンタルな気分になってきた。 
 成績とか進路とか人間関係とか、これっぽっちも考える必要がなかったあの時の自分が、やけに立派なものに思えてきた。
 さわさわと揺れた葉っぱの音が、俺の心をくすぐっているようだった。
 寂しくなった。あの時、無理やりにでも、あのパンクした音楽室に、身をねじ込んでおくべきだったと、後悔をし始めた。
 ふと座っているベンチに、一匹アリが歩いているのに気づいた。やや暗かったが少し大きめのアリだったから、気づけたのかも知れない。
 アリといえば、よく巣に水を流し込んで遊んでいたものだ。ただ、その時、俺はそうとだけ思った。
 そうとだけ思う暇しかなかったからだ。
 ふいに、そのアリに影が落ち、誰かが座った。俺は驚いて身を反らす。
「……あぁ」
 そして、横顔を見てそんな声が出た。その声に反応するように、顔がこちらに向く。
「麻奈美か」
 幼馴染である、本元麻奈美だった。家が近いだけあって、恐らく俺の認識では家族に匹敵するくらい馴染み深い。俺と違って頭が良かったので、高校は勿論別々のところへ行っており、かれこれ一ヶ月ほど顔を合わせていなかっただろうか。
「こんなところで何してるの」
 息を吐くように、淡々と麻奈美は言う。
「暇だったから、ちょっと散歩に」
「ふぅん……」
 怪訝な目つきでぼやくと、正面に向き直った。
 本人曰く切るのが面倒で伸ばしたという長い黒髪に、飄々とした横顔、凛とした顔立ちなのに、目はとても穏やか。相変わらずだった。
「お前はどうしたんだよ、こんな時間に」
「普通に、部活帰り」
 しれっと言う彼女は、なるほど制服姿だ。夜によく溶けそうな色だったが、妙に麻奈美に似合っていた気がした。
「部活かぁ、何やってんの。やっぱり、吹部続けてるん?」
「まぁね。他にやる事ないし」
「……だよな」
 中学時代は、一緒に吹奏楽をやっていたのだが、同じやる事が思いつかない状態だったというのに、この差はやっぱり性格なんだろうな、と俺は割り切った。
「──将は?」
「俺は、入らなかったよ、何にも。なんか、吹部やたら人多かったし」
「そう」
 やっぱりね、といわんばかりな口調だったが、別に俺は気にしなかった。そんなプライドを持っていたなら、こんな場所で黄昏てなんかいない。
「楽しんでる?」
「一応」
「そりゃ良かった」
 基本、麻奈美との会話はこんな感じになる。万人に対してこんな感じだから、さぞかし彼女のトコの部員は苦労していることだろう。
 ただあっさりとしていても、決して理論的であって感情的ではないというわけではない。
「もう高校入って一ヶ月経つよな」
「そうね」
「……まぁ、まだ早いと思うけど、好きな人とかできたりした?」
「……」
 返事が無い。
 俺は少し焦った。
「え、ちょっと、何で黙るの」
「──居ないよ」
「……そうなのか」
 そう言って、俺はちらりと横顔をのぞいてみた。しかし、こっそりのぞいたはずだったのに、視線がぶつかってしまう。
「そんな良いヤツがいないの」
「そ、そうかい」
 そのまま見据えられたまま言われ、なんとなく俺は動揺してしまった。
「将はどうなの」 
「お、俺? いないよ、まだそんな……」
「でしょ。そんなもんよ」
 麻奈美は結論付けるように言って、視線を正面に戻した。
 空は完全に夜へと沈んでいて、もうすぐ暑い季節に移るというのに、まだまだ日没後の風は直に肌に沁みこむようだった。街灯が寂しく照らされる遊具が、日の出を待ち望んでいるかのように見える。
「ねぇ」
「ん」
 俺は夜空を仰ぎながら返事をした。
 麻奈美は麻奈美で、至極単調にこんな質問をしてきた。
「私のことどう思ってた?」
 俺は目を細めた。
「……どうって」
「私は将と友達で良かった。良いお父さんになりそうな、好青年ね」
「へ……」
「お人よしで踏ん切りがつかないけど、決めたことはちゃんとやるし、約束は破らないし、──こんな私でも構ってくれるし、良い意味で一方通行な感じ」
 俺は面食らってしまった。麻奈美の、俺への客観意見なんて、生まれて初めて聞いた。褒め言葉ですらもらったことが指折るほどしかないのだから、驚くのも当然だと思いたい。
 だが、面食らった理由はそればかりではない。
「……」
 隣を見ると、また目が合った。えらく夜に似合う瞳をしている。
「俺も、もちろん、友達で良かった……、そうだな、勉強はできるわあっさりしてるが人に優しく出来るわ、大したヤツだと思ってた。ただ──、なんか強すぎる気がする」
「強すぎる?」
 麻奈美は首をかしげた。
「全く、お前の弱いとこをみた記憶が無いんだよ。そこが少し不安だった」
 夜に溶ける瞳に不安の色が射した。その言葉の真意を探ってるような目だった。
「──どういうこと?」
「分からないなら、別にそれでも良いけどね……、楽しくやってるみたいだし」
「……そう」
 そう言うと、麻奈美はすぐさまいつもの凛とした眼を取り戻した。
 俺は、それを見て思い切り上半身だけ背伸びをする。
「さてと……そろそろ帰ろうかな」
「うん」
 麻奈美が頷き、すっと立ち上がった。俺もそれに続いたが、ついでに麻奈美が座っていたあたりのベンチを見やった。
 アリは何事もなかったかのように歩き回っていた。
 これが俺の言った、麻奈美の優しさ、だったのか。

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  1. 2011/07/20(水) 22:00:48|
  2. 尋常の日記・雑記
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可児 珊士

Author:可児 珊士
大学生。
元音楽(合唱)部員。旧BASS。
ギターが欲しい年頃。
作家志望。
本陣:埼玉
カラオケ行くと声的な意味で別人化。

アイコンは柊氏より頂きましたΣd(゚∀゚d)

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